今夏のクラブワールドカップで使用されて話題となったレフェリーカメラ Jリーグは29日、翌30日に行われる「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2005」の横浜F・マリノス対リヴァプールの試合において、審判員が試合中に小型のボディーカメラを装着する「レフェリーカメラ」を試験的に導入することを発表した。
今夏の「FIFAクラブワールドカップ2025」でも導入され、その映像の一部がライブ配信されたことでも話題となったレフェリーカメラは、国際サッカー評議会(IFAB)が審判員のレフェリング技術向上に資する環境を提供する一環で試験的に運用しており、各国で年2回まで試験導入することができるとのこと。
Jリーグは日本サッカー協会(JFA)と連携し、国内で初めてIFABの同制度を活用するが、ライブ配信は現時点ではIFABが特別に認めた競技会に限られることや、安全な運用に注力すべきことなどから、今回の試験導入では行わないことも併せて発表している。
Jリーグの野々村芳和チェアマンも「今回はエンタメ的な要素よりレフェリーの技術向上のために役立てる」と語り、審判員の指導教材として活用する意向を示す一方で、近日中にJリーグのYouTube公式チャンネル内の番組「Jリーグ審判レポート(シンレポ!)」などで撮影映像の一般公開を予定しているという。
■レフェリーカメラとは
審判員が試合内で胸や耳などのボディーに装着する視点カメラで、審判員の主観的な視点での試合映像の撮影が可能。明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025 presented by 日本財団では主審が装着する。
■試験導入の目的
1.レフェリング技術の向上を目的とした指導教材としての活用
海外クラブとの国際試合や重要な試合を担当する審判員のレフェリング基準、ポジショニング、視点、視野の確保、選手とのコミュニケーションなどをよりリアリティをもって学ぶことのできる学習素材として活用する。
2.審判の重要性の理解促進
審判目線の映像を通して「フェアプレー」を司る審判の難しさや重要性を伝え、理解促進につなげる。また、審判という役割への注目を高め、トップレベルを目指す人材の育成および裾野の拡大につなげる。