同級生「真相知りたい」=悲しみ、母校の生徒に語り継ぐ―八王子スーパー3人射殺30年

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2025年07月30日 07:31  時事通信社

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追悼礼拝で、八王子スーパー射殺事件について話す木村智次さん=26日、東京都町田市
 東京・八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」で1995年、桜美林高校2年の矢吹恵さん=当時(17)=ら3人が射殺された事件は、30日で発生から30年を迎える。矢吹さんの同級生で、桜美林中高の教諭、木村智次さん(47)は「犯人や動機、真相を知りたい」と願いつつ、毎年1回、生徒に事件の話をする機会を設けている。悲しみを語り継ぎ、命の大切さを伝えるためだ。

 矢吹さんの死を知ったのは、夏休み中の95年7月30日に起きた事件の翌日だった。新聞に「女子高生ら殺される」との見出しを見つけた。「またどこかで事件が起きたのか」。人ごとのように記事を読むと、知った名前が目に飛び込んできて衝撃を受けた。「あの矢吹さんが殺された」。

 矢吹さんとクラスは別だったが、顔と名前は知っていた。会えばあいさつを交わす仲で「明るくて優しい印象だった」。思わず同級生に電話し、「身近で銃を使った事件が起きるなんて」とやり切れぬ思いを伝えた。

 夏休みが終わり登校すると、矢吹さんの机に白い花が置かれ、教室全体が沈んだ空気に包まれていた。始業式の校長の言葉を鮮明に覚えている。「キリスト教では『赦し』という言葉を使うが、それはこの事件の犯人を赦すことではない」。後日、追悼礼拝が開かれ、「本当に殺されてしまった」と実感した。

 木村さんは大学卒業後、母校の運営法人の事務職員などを経て、2015年4月に桜美林中高聖書科の教諭となった。

 年に1度、事件についての授業で、必ず伝えるのは「元気でいてさえくれればよかった」という言葉。事件から15年後、矢吹さんの両親が報道向けに出したコメントの一節だ。木村さんは「不満や悩みがあるのも命があって、生きているから。人生に前向きな気持ちを持ってほしい」と思いを込める。

 事件の数年後、偶然、再会した同級生が「銃器根絶を考える会」を発足させたと知った。銃による事件が二度と起きないように、文化祭での展示や講演活動をしていると聞き、「やれることをやらなければ」と活動に加わった。

 今月26日、同級生や教員など約30人が学校に集まり、矢吹さんへ黙とうをささげた。当初は「すぐに解決するだろう」と思った事件は30年たっても未解決のままだ。木村さんは「矢吹さんが生きるはずだった今日を大切にする。思いを受け継ぐことが、風化防止や事件解決につながると信じている」と力強く話した。 

このニュースに関するつぶやき

  • ネットで見ただけやけど、パートリーダーのオバちゃんが過去にホステスやらであっちこっちでヤンチャしててチンピラに恨みかってたから報復されたんちゃうかってやつやろ
    • イイネ!1
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