50代からの仕事選びで大切なのは「好きな人と一緒に働く」。FPが語る人生後半戦の豊かな働き方

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2025年07月30日 09:30  日刊SPA!

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※画像はイメージです(以下同)
 70代、80代になっても働き続けるという未来が現実的になりつつある昨今、重要になってくるのが50代以降の仕事の選び方だ。
『ゼロ活 〜お金を使い切り、豊かに生きる!〜』(扶桑社)の著者であるファイナンシャルプランナー・井戸美枝氏は、「50代以降の仕事選びは、20〜40代のころと同じ基準で選んではいけない」と指摘する。

 では、人生後半戦となる50代以降の仕事選びで、気にするべきこととは何なのか。人生を豊かにする仕事選びのポイントについて、解説していく。

(本記事は『ゼロ活 〜お金を使い切り、豊かに生きる!〜』より一部を抜粋し、再編集したものです)

◆「ライスワーク」から「ライフワーク」へ

 50代以降は働き方を、生活費を稼ぐための「ライスワーク」から自分の人生を楽しく豊かにするための「ライフワーク」に変えていく絶好のチャンスです。

「やらされ仕事」ではなくて、心ときめくことや自分の好きなことを追求しながらワクワクした毎日を送る——。シニアライフは、そんな働き方が可能になる時期なのです。

 でも、「好きなことを仕事に」といわれても、なかなかパッと頭に思い浮かばないという方が多いかもしれません。そこでおすすめなのが、これまでの自分を丁寧に振り返り、「自分が輝く瞬間」を見つけることです。

 これまでの人生で、「人からよく褒められたこと」「ついやってしまうこと」「やっていると元気になること」を書き出してみましょう。友人や家族から意見を聞いてみるのも効果的です。

 実は自分では気づいていない素敵な才能を、周囲の人のほうがよく知っていたりするものです。

 そうやって、自分が「好き」「得意」と感じることを見つけてください。

 見つかったあとは、最初から大きな挑戦をする必要はありません。小さなことから一歩ずつ、試してみることです。

 趣味として楽しんできたガーデニングの延長で、ベランダ菜園のオンライン教室を開いてみる。

 読書が好きなら、地元の小さな図書館で本を紹介するボランティアをしてみる。

 そんな小さな第一歩でも自分が楽しんでいる姿が相手に伝わるだけで、少しずつ仕事になっていきます。

 大切なのは、「気軽な楽しさ」を忘れないこと。店舗を構えたり、人を雇ったりと、最初から大きな投資が必要な仕事は、自分自身が楽しめなくなります。

 小さくゆるやかに、でも楽しく働く。それが、理想的なシニアライフの働き方だと思います。

 ぜひ、自分だけの新しい人生を楽しみながら築いていきましょう。

◆人生後半の仕事選びで最も大切なのは?

 50代からの働き方において、もうひとつ大切にしたいのは、「人との出会い」を楽しむことです。

 若いころは、職場だけの人間関係で完結していたかもしれません。でも新しい仕事に挑戦する場合、地域の若い人や世代を超えた人たちとの出会いが広がることもあるでしょう。

 その人間関係の中で、新しい考え方や流行の情報に触れることもできます。

 ときには自分より若い人に教えを請うこともあるでしょう。

 注意したいのが、自分の年齢や過去の地位にこだわらないこと。すべての人に敬語で話すこと。年下であろうと素直に学べる姿勢を持てば、相手からも尊敬されていい人間関係が築けます。

 ときには、若い人との新しい出会いが仕事の幅を広げてくれますし、困ったときに助け合える仲間になってくれるでしょう。

 今後の人生の「財産」とはお金だけではなく、人との豊かなつながりでもあるのです。

 私自身も年齢を重ねるにつれて、意識的に仕事を減らしています。

 では、どんな仕事を継続して続けているのか? 私が選ぶ基準はただひとつ、「好きな人と一緒に働くこと」です。報酬よりも、好きな人たちと働ける喜びを大切にするほうが人生はずっと豊かになるように感じます。

 もちろん、無理をして働き続ける必要はありませんが、好きな人と楽しく働くことは、自分が社会とつながり続ける重要なポイントです。

 そして、これこそが、人生後半の仕事選びにおける最も大切なポイントではないでしょうか。

〈文/井戸美枝〉

【井戸美枝】
CFP、社会保険労務士など。神戸市生まれ。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金部会委員。経済エッセイストとして活動。『100歳までお金に苦労しない 定年夫婦になる!』(集英社)、『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)、また自身の介護体験を元に執筆した『身近な人が元気なうちに話しておきたい お金のこと 介護のこと』(東洋経済新報社)など著書多数

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