00年クイーンSを制したトゥザヴィクトリー(写真は01年11月エリザベス女王杯、(c)netkeiba) かつてのクイーンSは秋華賞(古くはエリザベス女王杯)のトライアルとして、9月に中山競馬場で開催されていた。そのクイーンSが札幌競馬場に舞台を移し、古馬に解放されたのは25年前のこと。今回はリニューアル元年だった00年のクイーンSを振り返る。
この年のクイーンSには不動の主役がいた。4歳牝馬のトゥザヴィクトリーである。3歳時に桜花賞で3着、オークスで2着。4歳を迎え、前走のマーメイドSがフサイチエアデールの2着。重賞未勝利ながら既にGI級の能力を証明済みだった。
レースはトゥザヴィクトリーに「勝ってください」と言わんばかりの展開となった。テン乗りの藤田伸二騎手に導かれたトゥザヴィクトリーが後続を抑え込むように逃げて、前半1000mは59秒5。これだけ楽に行ければ、簡単には止まらない。直線に向いて二枚腰を発揮。伏兵エイダイクインの猛追に冷や汗をかいたものの、これをクビ差凌いでゴール。7回目の挑戦で重賞初制覇を果たしたのだった。
ここからトゥザヴィクトリーは名牝の道を突き進むこととなる。翌年にはドバイワールドCで2着に健闘し、エリザベス女王杯でGIウイナーの仲間入り。繁殖としても大成功を収めたので、その名は後世まで語り継がれていくに違いない。