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学童保育のプール体験教室中に小学1年の男子児童(6)が溺れて死亡した東京都小金井市のスポーツクラブ「メガロス武蔵小金井」で、2024年3月にもプールで女児が溺れる事故があったことがスポーツクラブの運営会社側への取材で判明した。浮き具の装着漏れが原因で、運営会社は安全管理に不備があったとして保護者らに謝罪した。
運営会社は「野村不動産ライフ&スポーツ」(東京都中野区)。親会社の野村不動産ホールディングス(HD)によると、24年の事故は3月24日午前11時20分ごろ、キッズスイミングのレッスン中に起きた。参加した10歳未満の女児が溺れ、救助後に病院を受診。命に別条はなかった。
必要な浮き具の装着を怠っていたという。女児は、足が着くように置かれていた調整台から足を滑らせて溺れたとみられる。
運営会社は翌25日、「浮き具の装着漏れが原因で子どもが溺れる事故が発生した。クラブの安全管理の不備により、多大なるご迷惑をかけ、深くおわび申し上げます」とする文書を保護者に配布した。
文書の中では、全店で取り組む再発防止策として、浮き具の装着確認の徹底やプールの監視業務の強化、浮き具を装着するクラスの定員を12人から10人に減らすことを挙げていた。
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その約1年4カ月後に今回の男児が死亡する事件が発生。プール内には調整台(高さ約40センチ)が置かれていたが、溺れた場所にはなく、水深は男児の身長(約113センチ)より深い約120センチだった。
男児は学童保育の体験教室中で、プール内にはクラブの従業員が1人おり、プールサイドには学童のアルバイトの引率者が1人いた。警視庁は業務上過失致死の疑いも視野に、クラブや学童関係者らの安全管理体制に問題がなかったかを調べている。
野村不動産HDは取材に対し、「前回の事案で改善を図りながらも、また溺れる事案が起きてしまい、根本的な原因の把握に努めたい」としている。
運営会社は30日、「お亡くなりになられた児童のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆様には深くお悔やみ申し上げます」とするコメントを公表した。原因判明までは全店のプール施設の運営を休止するとし、「二度とこのようなことがないよう、取り組んでまいります」としている。【菅健吾、朝比奈由佳】
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