男児がプールで溺れ、死亡する事故のあったスポーツクラブ「メガロス武蔵小金井店」=30日午後、東京都小金井市 東京都小金井市のスポーツクラブ「メガロス武蔵小金井店」のプールで学童保育中の小学1年の男児(6)が溺れ、死亡した事故で、このプールで昨年も10歳未満の子どもが溺れる事故があったことが30日、関係者への取材で分かった。観覧席にいた保護者が気付き、救助されたという。
スポーツクラブ側は当時、再発防止策を打ち出していた。警視庁は今回の死亡事故を巡り、業務上過失致死容疑も視野に、安全管理の状況などを調べている。
メガロスの運営会社や関係者によると、昨年3月24日、同店のプールで、キッズスイミングのレッスンを受けていた10歳未満の子どもが溺れた。上階の観覧席にいた保護者が異変に気付き、窓をたたくなどして職員らに伝え、救助された。子どもは一時沈んでいたとみられ、当初反応がなかったが、その後回復したという。
同社が保護者に配布した文書によると、溺れた原因は浮具の装着漏れだった。同社は安全管理の不備を謝罪した上で再発防止策として、▽浮具装着クラスの定員を12人から10人に変更▽複数の職員で装着確認▽監視担当者の業務内容の再確認と徹底、実施状況のチェック―を挙げた。
死亡事故は今年7月28日午前、系列の別店舗が運営する学童保育中に発生。男児はプールでうつぶせで浮いているのを発見され、同日夜に死亡した。当時は小学生十数人が25メートルプールの区切られたエリアで遊んでおり、職員ら少なくとも2人が水中とプールサイドで見守っていたという。
武蔵小金井店のキッズスイミングに子どもを通わせていたというパートの40代女性は「コーチは指導中の子ども以外が遊んでいても放置しており、溺れても気付かれないのではないかと不安だった。1年前の事故後もコーチが見る子どもの人数に変化は感じなかった。また事故が起きると思っていた」と話した。
メガロスの運営会社は「亡くなった児童のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまに深くお悔やみ申し上げる。関係機関に全面的に協力し、原因究明に努める」とのコメントを発表した。