限定公開( 1 )
<DeNA1−2ヤクルト>◇30日◇横浜
ヤクルト山田哲人内野手(33)が、球団新記録となる通算305本塁打を放った。2回2死走者なしで、DeNAバウアーから左越えの先制6号ソロ。並んでいた池山隆寛2軍監督(59)の記録をついに超えた。15年目での記念弾が決勝点となり、チームを22年6月以来の8連勝へと導いた。5位広島とのゲーム差は3・5、CS圏内の3位DeNAとも6・5と縮めた。
◇ ◇ ◇
ツバメ道を進み続け、頂上にたどり着いた。2回2死、バウアーの123キロナックルカーブを山田がかち上げた。高い放物線でヤクルトファンが占める左翼席に届けた。先制&決勝の6号ソロは球団新記録の通算305号。通算11打数6安打2本塁打と好相性右腕からのメモリアル弾で「こんなにホームランを打てるバッターになるとは想像もしてなかった。想像以上の結果で、自分でもすごく驚いてます」。その軌跡が自分でも信じられなかった。
ダイヤモンドを1周し、三塁側ベンチで出迎えられた。両腕で漢字の「山」を作る“山ポーズ”を決め、チームメートも呼応した。記念の1発の喜びを、最高の仲間とともに共有した。6月だった。チームが低迷する中、雰囲気が暗くならないよう増田珠の提案で、それぞれ個性を表す決めポーズを考案した。山田は複数の中から山に決めた。「そこまで気に入ってるわけじゃないですけどね」と照れ笑いを浮かべつつ「みんなやってくれるからさ」。一体感が好きだから、適時打や本塁打を放った時は必ずやるようになった。
|
|
そんなアットホームな空気がたまらない。だからこそ一筋15年で歩んだ。20年は国内FA権の行使も真剣に悩んだ。それでも「自分の居場所はこのチーム」とチーム愛を貫き、7年契約での残留を決断。あの時の選択は間違っていなかった。今、胸を張れる。同時に感謝の思いがこみ上げる。
「いろんな監督、コーチ、選手、チームメート、裏方さんに雰囲気づくりだったり、私生活の部分でもよくしてもらった。自分の力だけでは、ヤクルトじゃなかったら、この記録は絶対に達成してない。それは自分自身が一番感じてます」
試合後、一筋だからこそたどり着いた記録に実感を込めた。チームは1カ月前の谷底からはい上がって8連勝で、7月は12勝5敗2分け。自身も不調を抜け、7月は月間打率2割9分5厘、2本塁打、8打点だ。「すごく苦しかったけど、巻き返す気持ちをみんな持っている。自分も毎日打てるように。そういう気持ちでバットを振り続けたい」。年齢とも向き合いながら1歩ずつ進む。まだまだ見たい景色がある。【上田悠太】
▼ヤクルトが17日巨人戦から8連勝。連勝が始まる前の16日時点のヤクルトは24勝50敗5分けの借金26。これまで借金20以上のチームが7連勝した例は56年東映、61年阪急、64年近鉄、、01年日本ハム、22年日本ハムの5度あるが、借金が20以上あったチームが8連勝は初めて。
▽ヤクルト高津監督(山田の球団新記録となる1発に)「もっともっとという気持ちもあるが、若い頃からずっと見てきて、スペシャルな選手であるのは間違いない。人に、チームに与える影響があり、非常に大きなものを背負ってプレーしている」
|
|
▽ヤクルト・アビラ(1回は『ソードセレブレーション』のポーズを決め7回4安打1失点で4勝目)「バウアー選手がやっているのは知っていて、自分を鼓舞するためにやった。メジャー実績のある投手と日本で投げ合うことは日本で野球をやる上で1つの夢だった。それで勝てて良かった」
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。