<日本ハム5−4ソフトバンク>◇30日◇エスコンフィールド
日本ハムが粘りの“逆転返し”でソフトバンクに競り勝ち、ゲーム差ゼロでの2位転落から、一夜で首位に返り咲いた。1点リードの8回表に逆転されるも、1点を追う8回裏2死一、二塁で清宮幸太郎内野手(26)が右中間へ勝ち越し2点三塁打を放ち、再逆転。新庄剛志監督(53)が鍛えてきた粘りの野球で連敗を2で止め、ソフトバンク戦の連敗も、5でストップした。
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追い付かれて勝ち越し、逆転されて逆転し返して、競り勝った。8回表に逆転されて、その裏、すぐにひっくり返す、息詰まる熱戦。勝利の瞬間ガッツポーズの新庄監督は「今日はうれしいね。ファンのみなみさんにこう、いいゲームを見せれたってところが1番うれしいですね。見てるファンの方たちはもうめちゃくちゃ面白かったと思います」と喜んだ。
指揮官は、清宮幸の決勝打点をお膳立てした2人のプレーを、絶賛した。8回2死一塁で、まず代走で出場の矢沢が、二盗を成功させた。アウトなら、1点ビハインドで、残すは9回の攻撃だけと追い詰められる状況でのトライに「よく走ってくれた」。その後、石井が9球粘って四球を選び、2死一、二塁とチャンスを広げた。「フォアボールってほんと大きい。あそこで石井君がフォアボール選んでくれての(代走)中島君で、清宮君が長打を打って2点取りにいこうやって」。全員が全力で次につなごうという姿勢が、勝利への扉をこじ開けた。
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劇的な1勝ではあるが、優勝を目指す大航海の中ではまだ、その途上に過ぎない。「まだあと何10試合もありますから。この3連戦が1番大事とか言いますけど、いやいや、大事なのはもっともっと後ろにありますよ。めちゃくちゃ後ろにありますよ」。緊張の糸は、目的を成し遂げる瞬間まで、決して緩めない。
勝ってかぶとの緒を締めることも忘れない。8回の先発北山の替え時について「(先頭の)牧原君が当たってたんで上原君を(回の)頭からで(も良かったか)。ピッチングコーチが(北山に)聞いたら、それは『行きます』って言いますよね。これからは選手に聞かずに、切るところはしっかり切っていきたいと思います」。万全の完投王国を築く中、指揮官の厳しい判断も織りまぜながら、接戦をものにしていく。【永野高輔】
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