全部お菓子!?本物のヤマドリやカンツバキみたい…菓子博で3大会連続の最高賞「誰にも負けたくない」

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2025年07月31日 07:20  まいどなニュース

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受賞作の「深山彩秋」。今にも動き出しそうなヤマドリや、カンツボキやモミジを精巧につくり、晩秋の趣を映し出している

 1949年創業の和菓子店・福泉堂(島根県出雲市)3代目店主の土江徹さん(48)が、北海道であった全国菓子大博覧会の大型工芸菓子部門で、3大会連続で最高賞に当たる名誉総裁賞に輝いた。「自らの菓子作りと向き合う機会になる自己表現の場。誰にも負けたくない」と4度目の受賞を目指し、菓子作りにまい進する。

【写真】制作した土江徹さん

 全国菓子大博覧会は、およそ4年に1度開催される国内最大の菓子博。大型工芸菓子部門で約90品のうち、土江さんの作品は創造力と技術が高く評価され、2013年大会、17年大会に続いて名誉総裁賞(全9品)に輝いた。

 受賞した「深山彩秋(みやまさいしゅう)」は幅1・1メートル、奥行き0・8メートル、高さ1・2メートルの大作。堂々たる尾羽を広げたヤマドリがマツやカンツバキ、モミジに彩られ、晩秋の趣を映し出している。こだわりは精巧さ。特に尾羽は、寒梅粉などで作った生地をオレンジ色と黒色の2層構造にして麺棒で延ばし、まばらな点々を表現した。

 制作に2カ月を費やした。初出品した12年前と比べれば6分の1ほどになったが、それでも「気持ちを高めないと作れない」と言う。出品を続けるのは「数年に1度の全国テスト」と自らに課す。

 毎日、店頭に並ぶ代表銘菓「猪巣(ししす)」やどら焼きを作る。味を追い求める普段の菓子作りと工芸菓子への挑戦は全く別物だが、工芸菓子を作ることで無意識のうちに日常生活で花や季節の移ろいを観察するようになった。題材への解像度が上がり、上生菓子のデザインにも反映されるのではないかと感じる。「菓子作りに向き合い続ける」と高みを目指す。

 出品作品は次回の菓子博まで店内で展示している。

(まいどなニュース/山陰中央新報)

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