野呂佳代「宇宙という壮大な、キラキラした、カラフルな世界の中で、アドベンチャーを繰り広げていく感じがとてもいいと思いました」『星つなぎのエリオ』【インタビュー】

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2025年07月31日 10:10  エンタメOVO

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野呂佳代(C)エンタメOVO

 『トイ・ストーリー』『リメンバー・ミー』『インサイド・ヘッド』など、イマジネーションにあふれた作品を送り出してきたディズニー&ピクサーによる長編アニメーションの最新作『星つなぎのエリオ』が、8月1日から全国公開される。何光年も離れた“星々の世界”を舞台に、独りぼっちの少年エリオと心優しいエイリアンのグロードンが繰り広げる冒険と友情を描く本作で、お助けロボット「ウゥゥゥゥ」の日本版声優を務めた野呂佳代に話を聞いた。




−ディズニーシーでキャストとして働いていたこともあるほどのディズニー、ピクサー好きだと聞きました。今回の仕事はすごくうれしかったのではないですか。

 子どもの頃は、『ピーター・パン』と『ふしぎの国のアリス』のビデオを見て育ちました。何かあるとお母さんがそのビデオをかけて集中させてくれました。その後、『アラジン』が好きになり、『白雪姫』を見に行ったりして、ますますディズニーが身近なものになっていきました。とにかくディズニーが大好きで、趣味がディズニーぐらいしかなくて。そんな中でディズニー&ピクサーからお仕事を頂けるなんて夢のようでした。キャストをやっていたこともあるので、すごく感慨深かったです。これは、何か運を全部使っちゃったんじゃないか、これで私は終わっちゃったんじゃないかと思うぐらい大変なことです。自分が女優をやりたいと思った原点というか、ディズニーが好きで、ディズニーで働きたいというところからスタートしたので、今回はとにかくうれしかったです。

−オーディションに合格したと聞いた時はどんな気持ちでしたか。

 オーディションがとても楽しかったんです。吹き替えってこうしてやっていくんだとか、こんなふうにスタッフさんと話しながらやらせてもらえるんだとか、いろんな過程が見られました。だから受かったらいいなとは思いましたが、私がディズニー&ピクサーの吹き替えをやれるほどの人間なのかみたいなことも考えました。なので、受かったと聞いた時は、「うそでしょ」みたいな気持ちも半分ありましたが、とてもうれしかったので、「やったー!」という感じになったと思います。自分がディズニー&ピクサー作品の一員になれたような気持ちになりました。ただ、自分が吹き替えに決まったことはまだ発表できなかったので、ぐっとこらえました。『リロ&スティッチ』を見に行った時に、この映画の予告を見たら、すごくうれしくなって涙が出てきたんです。でも、私も吹き替えをすると言いたいけれど、まだ言えない。その時期にしか味わえないうれしさを自分だけでかみしめるという感じでした。

−実際に吹き替えをしてみて、どんな感じでしたか。

 とても楽しかったです。不安や緊張もありましたけど、やり始めたら、「ウゥゥゥゥ」がどんな声でしゃべるのかなとか、どういうふうに言おうかなと考えると、吹き替えていくことが楽しくて仕方ありませんでした。英語の吹き替えを聞きながら、いろんなことを試したり、「ウゥゥゥゥ」だったらこうやって言うかなとか、自分なりに思ったことをとにかくやってみることができたので、スタッフさんにはすごく感謝しています。いろんなパターンの声を録ったので、完成したものを見たときに、ここはこれを使ってもらえたんだと感動しました。あとは、見てくださる方に、どう受け入れてもらえるかということが心配でドキドキしますけど、吹き替えはとにかく楽しかったです。

−吹き替えをしたお助けコンピューター「ウゥゥゥゥ」のキャラクターについてはどう思いましたか。

 「ウゥゥゥゥ」は、とてもほわほわしていてほんとにかわいいです。お助けコンピューターですから、人を見て助けるのかなと思いきや、ただ業務的に助けるんです。だから、乱暴にしたりするところもあって、笑顔の裏でそうなっていくところがとても面白いと思いました。すごく愛せるキャラクターだと思います。

−この映画の共感ポイントや感動ポイントを教えてください。

 この映画は、主人公のエリオが孤独を感じる環境から始まるんですけど、見ていくとエリオがとても勇敢で強い子だということが分かってきます。そしていろんな試練がある中で、その都度、いろんな人からの愛情やアドバイスを受けながらそれを乗り越えていって、最後は大切な愛に気付くという物語が、自分の半生と似ていると思いました。私も試練がたくさんあった中で、その都度怒ってくれる先輩がいて、その時は「何だよ」と思いながらやっていたけど、今思えば、それが全部愛情だったと気付きました。だからエリオにすごく感情移入ができました。ただ、エリオの素晴らしいところは、「何で僕ばっかり」とは思わなかったところで、そこが私とは全然違うと思いました。でも、エリオには何かやらかさないと気付かない不器用なところもあります。それに立ち向かいながら最後に気付くところがまたいい物語だなと。試練と人との出会いは誰にでも当てはまると思いました。

−ディズニーパーク好きの視点、ディズニーファンの視点から、本作の魅力を語ってください。

 ディズニーパーク好きの視点では、これがアトラクションになったらめちゃくちゃ楽しいだろうなと思いました。そのぐらい、宇宙という壮大な、キラキラした、カラフルな世界の中で、アドベンチャーを繰り広げていく感じがとてもいいと思いました。ディズニー好きの視点からすると、スローモーションになったりするところなど、何か普段とはちょっと違う描写がたくさんあって、とてもワクワクして、面白くて、楽しめる点がいっぱいあると思いました。エリオにとっての試練がちょっと多く感じましたけど、その中でも、エリオにもっと強くなりたいという気持ちを発展させられる想像力があることがとても素晴らしいと思いました。そういう点では、やっぱりディズニーは、想像力と魔法と現実でできているところがあるので、ディズニー好きとしてはすてきな部分だと思いました。

−これから映画を見る人や読者に向けて一言お願いします。

 コロナ禍以降、皆さん孤独を感じることもあると思いますが、そんな中でも、自分はこうなりたいという願いや希望を忘れない方がいいと思わせてくれる映画だと思います。普段生活をしている中で、何かのヒントになったり、役に立つ物語なので、ポジティブな楽しい生活に発展させていけると思います。そういうポイントを見つけていただける映画だと思います。1人じゃないというのが結構大きなテーマで、以前、すごく悩んだ時に、宇宙規模で考えればたいしたことではないと教えられたことがあって、それを思い出しました。

−またディズニー作品で声優をやるとしたら、今度はどんなものをやりたいですか。

 恐れ多いですけど、言っといた方がいいかな。やっぱりコメディーが好きなので、面白くてワクワクするものをやりたいです。例えば『アラジン』のジーニーとか『塔の上のラプンツェル』の酒場の荒くれ者たちみたいなコミカルなものをやりたいです。あとは『カーズ』がすごく好きなので、カーズの新キャラクターがあったらやりたいなって思います。

(取材・文/田中雄二)


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