エルメネジルド ゼニア グループがシンガポールの投資会社に株式売却、アジアを中心にグローバル展開を強化

　エルメネジルド ゼニア グループ（Ermenegildo Zegna Group／以下、ゼニア）が、シンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングス（Temasek Holdings）の子会社ヴェネツィオ・インベストメンツ（Venezio Investments）に対し、ミラノ時間7月30日までに同社保有の自己株式約1412万株を1株8.95ドルで売却する契約を締結した。

　テマセクは、シンガポール政府が同国の経済成長支援と財政基盤の強化を目的に、1974年に設立した投資会社。2025年3月期の年次報告書によると、2025年3月31日時点での投資ポートフォリオ純資産総額は約4340億シンガポールドルに達している。
　テマセクグループはすでに保有している1270万株と合わせて、ゼニアの発行済み普通株式の10％相当の合計2680万株を保有することになる。今回の取引により、ゼニアは1億2640万ドルの現金を受け取る。ゼニアは今後、調達資金を活用して、アジアを中心としたグローバル市場でのブランド拡張や販売ネットワークの強化を進めるとみられる。
　なお、テマセクは2026年6月の株主総会以降、欧州・中東・アフリカ地域責任者のNagi Hamiyehを非業務執行取締役としてゼニアの取締役会に派遣する予定。