猫の慢性腎臓病のリスクに挑む“プラントベース発酵ドリンク” Food Curate Lab×東京農大の共同研究がスタート

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2025年07月31日 13:40  OVO [オーヴォ]

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猫の慢性腎臓病のリスクに挑む“プラントベース発酵ドリンク” Food Curate Lab×東京農大の共同研究がスタート





 




 プラントベース(植物由来の原材料)食品の開発・製造・販売などを展開する「Food Curate Lab」(フードキュレートラボ、東京)は、猫にとって最大の健康課題の一つである慢性腎臓病のリスクに挑むプラントベース発酵ドリンク「COZY MILK CAT」の開発に向け、東京農業大学応用生物科学部の数岡孝和教授(機能性素材研究)との共同研究「猫用機能性水分補給ドリンク研究開発プロジェクト」を、7月1日に正式スタートさせた。




 この研究では、こうじ甘酒をベースに発酵を活用しながら、猫の食の好みを損なうことなく自然な水分摂取を促し、腎臓の健康維持に寄与する猫用発酵ドリンクの開発・実用化を目指す。共同研究の第1弾成果として、8月13日(水)〜15日(金)にアメリカ・ラスベガスで開催される世界最大級のペット業界展示会「SuperZoo 2025」で、同プロジェクトの発表とプロトタイプの初公開を予定している。




 現代の猫にとって、「慢性腎臓病」は、猫の主要な死因の一つとして知られている。近年の調査では、猫の約3頭に1頭が生涯のうちに腎臓病を発症するとの報告もあるという。猫も高齢化が進む中で、15歳以上の猫の約30〜50%がこの病気を抱えているというデータもあるという。




 初期段階ではほとんど症状が現れず、飼い主が異変に気づく頃にはすでに進行していることが少なくない、猫の慢性腎臓病。日常的にドライフードを主食とする猫は水分摂取が不足しやすく、腎臓に慢性的な負担をかけているケースも多いのが現状だという。同社は、砂漠地帯出身の動物である猫は水をあまり飲まない習性があるため、日々の生活の中で十分な水分補給を促す工夫が重要にもかかわらず、現状ではその対策が不十分な飼育環境も少なくないと解説する。発症すれば治療は長期間にわたり、特別療法食や皮下点滴、投薬、定期的な血液検査などを必要とし、飼い主にとっても経済的・精神的な負担が大きい病気。国や地域によっては適切な動物医療へのアクセスが難しい場合もあり、対応に地域格差が生じているのが現状という。




 元々同社は、犬向けのドリンクとして、石川県金沢市で創業約400年の老舗酒蔵「福光屋」と共同で、高品質のこうじ甘酒「COZY MILK」を開発・販売してきた。猫にも安心して飲ませられるドリンクだが、猫の飲みつき率が非常に低かったという。そこで、栄養価が高く、吸収効率も良いこうじ甘酒の良さを残しつつ、猫の嗜好(しこう)性を高く担保できるドリンクの開発に踏み出したという。今後、米国での展開をスタートさせ、日本国内ではペテモ幕張新都心店における取り組みをはじめとし、水分補給のマーケット創出を目指していくという。




 同社によると、ペットフードの世界市場に関する調査報告書では、2023年の市場規模は1926億米ドル(約29兆円)。同市場は2024年から2033年にかけて年平均成長率8.6%、2033年末までに3517億米ドル(約52兆円)の市場規模を創出すると予測されている。犬の飼育頭数は約4.7億頭、猫は約3.7億頭と推定されており、今後もペットの家族化が進むと共にさらに拡大することが見込まれている。

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