楽天グループが7月30日から8月1日まで開催しているビジネスイベント「Rakuten AI Optimism」にて、楽天モバイルが自動契約SIM自販機「最強くん」のプロトタイプを公開している。
この自販機では、楽天モバイルの契約からSIM発行までを、ショップスタッフを介さずに進めることができる。データSIMの契約は対象外としており、音声SIMの契約を行える。
自販機には大型のタッチパネルが搭載されており、ショップスタッフを模したアバターが接客してくれる。本稼働時には、AIアバターによる接客を予定しているが、今回のイベントでは、あらかじめインプットされた音声で案内を行う。
契約を始める前に、自販機上で楽天IDを用いてログインして契約を進める。その後、SIMのタイプを「eSIM」または「pSIM(プラスチックSIM)」から選ぶ。
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続いて、料金プランの確認や支払い方法の設定を行い、本人確認へと移る。本人確認では、身分証明書の表面と裏面をスキャンした後、自販機のカメラで契約者の写真を撮影して照合する。通常のオンライン契約の場合、スマートフォンのカメラで身分証明書と契約者を写す必要があるが、自販機ならよりスムーズに本人確認ができる。事前にpSIMを選んだ場合、本人確認が完了したら、SIMカードが自販機から発行される。
eSIMを選んだ場合、画面にQRコードが表示され、スマートフォンで読み取ると、設定用のURLがメールで送付される。そのURLにアクセスすると、QRコードが表示される。このQRコードを自販機の読み取り機にかざして読み取ると、プロファイルの設定が完了する。オンライン契約の場合、プロファイルを設定するQRコードを別のデバイスに表示させる必要があるが、SIM自販機の場合、読み取り回数が2回に増えるが、スマホが1台あればプロファイルの設定が完結するというわけだ。
SIM自販機は、2025年秋をめどに、楽天モバイルショップへの設置を想定している。今後は駅や空港など、ショップ以外での導入も視野に入れている。なお、「最強くん」という名称は仮称で、変更される可能性がある。
eSIMは、既にオンラインで即日発行できるが、SIM自販機があれば、物理SIMもわずか数分で発行できる。この自販機がさまざまな場所で普及すれば、より手軽に楽天モバイルに契約する手段が増えることになる。なお、SIM自販機で契約できるのは音声SIMのみで、データSIMは契約できない。訪日外国人や短期利用者がプリペイドSIMを購入する用途でも需要がありそうだが、現状では予定していないとのこと。
SIM自販機は1台しか設置していないこともあり、楽天モバイルブースでは多くの参加者が列を作っていた。特に初日は長蛇の列ができていたほど注目の展示となっている。
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さらに、楽天モバイルは「AIアバター接客」の開発も進めており、イベント会場でデモを体験できる。ブース内で楽天モバイルのショップスタッフを模したアバターと対話をしながら、料金プランの相談や契約ができる。アバターはまばたきをしたり表情を変えたりと、まるでビデオ通話で本当に話しているように見える。また、顔の角度をやや斜めにすることで、ユーザーがある程度左右に移動しても、目が合っているように見えるよう工夫している。
実際に会話を試してみたが、楽天モバイルを契約しているか、紹介プログラムを知っているか、Rakuten AIを知っているか、といった質問を投げかけてくれた。「知っている」と答えると、「さすがです」「すばらしいですね」と褒めてくれ、気持ちが上がった(笑)。AIアバター接客の具体的な採用時期は未定だが、今回のデモで得られたフィードバックをもとに、開発を進めていくとのこと。
楽天モバイルは、SIM自販機やAIアバター接客を通じて、「いつでもどこでもスマホを契約できる世界」を目指す。
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