
「どう見ても揚げ豆腐では!?」そんな言葉とともに、SNS上に投稿された食べ物が話題になっている。プラスチックパックに詰められているのは、厚揚げのようなもの。中を割っても、さながら豆腐のようだ。実はこれ、奈良県民でも入手しづらい幻の銘菓で―。
奈良県宇陀市の銘菓「きみごろも」
銘菓の正体は、奈良県宇陀市にある「松月堂」が製造する「きみごろも」。奈良県在住のX名・はなかつおさん(@flowerkatuo)がXに投稿した。きみごろもを知ったのは4年前。奈良県の地元ネタを使ったパロディゲームで、きみごろもを元ネタにしたアイテムがあったという。
松月堂のホームぺージによると、きみごろもは明治時代初めに生まれた。卵白をしっかりと泡立てたメレンゲに砂糖やハチミツを入れて寒天で固め、黄身の衣で包んで焼いたもの。卵は契約養鶏家から直接納品。使う直前に割るため、朝の暗いうちから卵を割ることや、黄身と白身の選別に始まるそう。また卵白の泡立ては、微妙な風味を調整するため手作業というこだわりぶりだ。
気になる味は、「触れると淡雪のような柔らかさ、口の中では卵の風味いっぱいに甘さが広がり、空気のように消えゆく儚い口あたり」と綴られている。
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「不思議な食感と聞いて、ずっと食べてみたいと思っていました」とはなかつおさん。ただ販売個数は制限され、日持ちは製造日から3日以内。奈良県内の百貨店に入荷されることもあるそうだが、4年間で一度も見かけなかったという。
空に浮かぶ雲を食べたような
今年7月、奈良市内の商店街で、きみごろも入荷のお知らせのポップが目に入った。店長いわく、「やっと入荷できた」とのことだった。
自宅に帰って開けると、まさに見た目は揚げ豆腐。しかし、一口食べると衝撃。ふわっとした甘いメレンゲがしゅわっと溶けていき、同時に外側の生地から卵の甘い風味が広がった。「一言で表せば、ふわしゅわ甘々メレンゲの極薄クレープ包み!です。空に浮かぶ雲を食べたような食感があるとすれば、まさにコレ!といった感じです」
X上でも反響を呼び、「食べてみたい」「奈良県民として脚光浴びてテンション上がる」「本当に美味しいですよ」などの声が寄せられた。
(まいどなニュース・山脇 未菜美)
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