鎮魂と安全祈り灯籠流し=遺族「記憶語り継ぐ」―日航機墜落、12日に40年

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2025年08月11日 21:01  時事通信社

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時事通信社

日航ジャンボ機墜落事故から40年となるのを前に、墜落現場となった「御巣鷹の尾根」の麓を流れる神流川で行われた灯籠流し=11日午後、群馬県上野村
 乗客乗員520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故から12日で40年となるのを前に、遺族らは11日夕、墜落現場となった「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)の麓を流れる神流川で灯籠流しを行った。犠牲者の鎮魂と空の安全を祈り、事故を二度と起こさないために「記憶を語り継がないといけない」と思いを新たにした。

 犠牲者へのメッセージを書き込んだ手作りの灯籠約200個がともされ、参加者全員が黙とうををささげた後、灯籠を川面に浮かべた。

 会社員の河口亜慧さん(24)=東京都新宿区=は、生まれる前に祖父博次さん=当時(52)=を亡くした。博次さんが機内で残した遺書には「幸せな人生だった」と感謝の思いが書かれていた。

 亜慧さんは「自分もそう言い切れる人生を歩みたい」と話し、「(空の安全は)見えないところの努力で守られる。そのコストを忘れないでほしい」と願った。

 父の南慎二郎さん=当時(54)=が犠牲になった川崎市の内野理佐子さん(65)は昨年12月、母(90)を亡くした。納骨の際、父の骨つぼを開けると、生前に母が話していた通り、お骨代わりに歯のブリッジが入っているのを見て、悔しさがこみ上げた。「人間だからミスはあるが、事故の記憶を呼び起こし、なくすために努力してほしい」と話した。 

日航ジャンボ機墜落事故から40年となるのを前に行われた灯籠流しで、メッセージを書く遺族の河口亜慧さん(手前)=11日午後、群馬県上野村
日航ジャンボ機墜落事故から40年となるのを前に行われた灯籠流しで、メッセージを書く遺族の河口亜慧さん(手前)=11日午後、群馬県上野村


日航ジャンボ機墜落事故から40年となるのを前に、犠牲者の冥福を祈って飛ばされたシャボン玉=11日午後、群馬県上野村
日航ジャンボ機墜落事故から40年となるのを前に、犠牲者の冥福を祈って飛ばされたシャボン玉=11日午後、群馬県上野村
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