DXが各企業で推進されている中、経理部門でも業務の効率化が求められている。そんな中、経理の現場において最も「ムダ」と感じられている作業は何か。ムダを解消するための業務改革はどれくらい進んでいるのか――。請求書クラウドを手掛けるNTTデータビジネスブレインズ(東京都港区)が調査した。
業務プロセスにおいて、無駄だと感じる作業(NTTデータビジネスブレインズ調べ)
●ムダと感じる経理業務TOP3は?
業務プロセスにおいて、無駄だと感じる作業について、最も多かったのは「データの複数システムへの二重入力」で38.0%に上った。「類似書類の複数回作成」(27.3%)、「紙媒体と電子媒体への二重保管」(25.0%)と続いた。上位3項目の並びから、二重の手間が発生しているケースが多いことがうかがえる。
経理業務において、デジタル化以外の業務プロセス改善に「取り組んでいる」と回答した人は71.3%に達した。内訳は「積極的に取り組んでいる」が23.6%、「ある程度取り組んでいる」が47.7%。
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業務プロセスが改善されたことによる効果については、「時間短縮」が最も多く67.5%に上った。「生産性向上」(45.5%)、「コスト削減」(35.7%)と続いた。一方で、「特に効果はない」とした人からは、「デジタル化によってかえって業務が増えた」「時間短縮の効果が少なかった」という意見が多く寄せられた。
業務フローの見直しや改善を「定期的に行っている」とした人は29.6%だった。「あまり行わない」「全く行わない」とした人は合わせて24.5%となり、業務プロセス改善を行っていない場合も一定数あることが分かった。
経理業務フローを「可視化している」と回答した人は45.6%にとどまった。業務の属人化を避けるための可視化施策は、現時点では半数程度の企業でしか実施されていないようだ。
●通常業務以外で最も手間や時間のかかる業務
通常業務以外で最も手間や時間のかかる業務については、「経理関連システム導入・運用」(19.0%)と「監査対応」(18.5%)が上位となった。DX推進により、作業の時間短縮や生産性向上の効果が出ている一方で、DXに関わる作業が増えているという現状が明らかになった。
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調査は3月14日に実施。経理の実務担当者221人から回答を得た。
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