時間が止まった教習所に足を踏み入れると、そこは小さなアポカリプス。
2024年に閉鎖された神奈川県川崎市の自動車学校跡地が、構内設備をそのまま残して期間限定の公園としてオープン。今だけの、特別な遊び場になっています。
訪れたのは、京急川崎駅から徒歩4分ほど、多摩川の河川敷に面した場所にある「Kawasaki Spark(カワサキ・スパーク)」。JR東海道線の線路と京急線の線路に挟まれた特徴的な立地から、地元の人々にはおなじみの場所です。
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この地では長年にわたって自動車学校「KANTOモータースクール川崎校」が開校されていましたが、2024年3月をもって閉校。跡地に2025年4月、アーバンスポーツを手軽に楽しめるテーマパーク「Kawasaki Spark」がオープンしました。
このテーマパークは、DeNAが同地に建設する大型複合施設「アリーナシティ」プロジェクトの一環として運営されるもの。施設の建設がスタートするまでの期間限定で運営されています。ある意味、いましか体験できない、レアスポットです。
入口には、自動車学校当時の校舎がそのまま。科目ごとの教室棟なども、当日の表示がほとんどそのままの状態で残っています。記者はここの卒業生ではありませんが、なんとなく教習所時代を思い出して、中に入る前からいろんな思いがぐるぐると巡ってしまいました。
「Kawasaki Spark」の利用は無料ですが、入場にあたって規約への同意が必要。入口脇の受付で手続きを済ませ、入場証のリストバンドをつけて中に入ります。
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場内に入ってビックリ。教習所の場内コースがそのまま残っています。
交通標識に坂道発進コースなど、これまで自動車の窓越しにしか見てこなかった景色を見上げながら歩くのはなんとも不思議な気分。
場内教習で苦しめられた人も多い、縦列駐車スペース、S字クランクにはソファーやテーブルが置かれ、座ってくつろげるようになっています。 自らの体を縦列駐車させて眺める景色はなんともシュール。
S字クランクには、ちょっとした飲み物を置けるカウンターテーブルが並んでいます。
食べ物や飲み物の持ち込みOKなので、缶ビールなんかを持ち込んでちょい飲みしてみるのも乙な感じ。苦しめられたS字クランクも、たゆたう小川に見えてくるから不思議です。
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建物も施設もそのまま年季の入った状態で残されています。道路の割れ目からは草が芽吹き、アポカリプス感が満載。でもそれが妙にホッとするから不思議です。
多摩川に面しているため、夕方以降の時間は川から風が流れてきます。これがまた気持ちいい……。人と建物だらけの都会の狭間、時間の止まった空間にすっぽりと入り込みながら楽しむ夕涼みは、なんとも秘密基地感に満ちた体験でした。
園内にはバスケットボールやスケートボード、さらにパルクールが楽しめるゾーンもありました。ヘルメットとスケートボードは受付で無料で貸し出しています。
さらにドッグランも。日ごろからアクティブに外を楽しむ方にはもってこいな場所だと感じました。
都会のど真ん中にぽっかりと出現した、期間限定の不思議な遊び場。考え方次第ではいろんな遊び方を楽しめそうです。体験するなら、いまのうち!
<参考>
Kawasaki Spark
・オープン日:2025年4月4日
・閉園日:2025年11月上旬
・開園時間:平日(水木金)14:00〜17:00 土日祝 12:00〜17:00
・場所:川崎市川崎区駅前本町25
・入園料:無料(イベント開催時等、一部有料となる場合があり)
(天谷窓大)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025081201.html
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