警視庁本部=東京都千代田区 警視庁刑事総務課は26日、多摩中央署が遺族に引き渡す予定の男性の遺体を、引き取り手のいない遺体と取り違えて葬儀会社に引き渡したと発表した。遺体は火葬後、複数人の遺骨と合わせて保管されていたため、男性の遺骨は特定できなかったという。同署は同日、遺族に謝罪した。
同課によると、5月5日と11日、65歳と68歳の男性がそれぞれ東京都多摩市内の自宅で死亡した。2人の遺体は同署で保管されていたが、安置室の修理のため一時的に移動した際、担当者が安置室の扉に誤った名前を記載したという。
同署は7月25日、65歳男性の遺体を葬儀会社に引き渡そうとしたが、遺体に付けられたリストバンドや遺体を包むシートに書かれた氏名などの確認を怠り、誤って68歳男性の遺体を引き渡した。8月23日に68歳男性の遺体を遺族に引き渡そうとして取り違えが発覚した。
同庁は、遺体引き渡しには警部補以上の幹部の立ち会いを求めているが、取り違えがあった日は立ち会っていなかった。理由について「他の業務があり、部下に任せきりだった」としている。
虻川誉・刑事総務課長の話 遺体の取り違えは絶対にあってはならず、改めてご遺族におわびする。絶無を期すため、人定確認措置の徹底などを指導する。