クラブW杯ではドルトムントを8強へ導いた [写真]=Icon Sport via Getty Images ドルトムントは26日、同クラブのトップチームを率いるニコ・コヴァチ監督との新契約締結を発表した。新契約期間は2027年6月30日までだと明かされている。
新契約締結を受けて、ニコ・コヴァチ氏はクラブを通してコメントを発表。将来の成功を見据え、次のように言葉を紡いだ。
「この半年間で、我々は共に多くの成果を上げ、ドルトムントをスポーツ面で再び軌道に乗せることができた。我々コーチングスタッフはクラブからの大きな信頼を感じており、クラブやファンとともにここで何かを変えることができるという感覚を抱いている」
「直近の数週間の話し合いにより、私はさらに確信を深めることができた。我々は、これまで歩んできた道を進むことで、持続的な成功を手にできる、とね。誠実な取り組み、明確な決断、そして強い情熱をもって、ドルトムントがかつての強さを取り戻すことに貢献したいと考えている。我々には、ここで共に成すべきことがまだたくさんある」
同様に、ドルトムントのスポーツ・マネージング・ディレクターを務めるラース・リッケン氏は「ニコは、ドルトムントでの職務に全身全霊を捧げてくれている。彼は明確な信念を持ち、根底から誠実で、率直なコミュニケーションを取った上で、パフォーマンスの成果を評価できるサッカーの専門家だ。彼の規律あるリーダーシップの下、我々は再び成功への道を見つけた。守備を安定させただけでなく、以前よりもはるかに多くの得点を挙げ、魅力的なサッカーを再び展開することができた。交渉は当初から非常に公平で、敬意を持ちながら、解決の方向へ向かっていた。ここの相互信頼こそが、我々の協力関係の基盤となっている」とコメント。ドルトムントのスポーティング・ディレクターを務めるセバスティアン・ケール氏も、次のように期待を寄せた。
「ニコと彼のコーチングスタッフの契約延長を大変喜ばしく思っている。この明確なビジョンは、今シーズンと今後の課題に完全に集中するために、すべての人にとって重要なものだ。我々は最大限の成功を目指し、確信、情熱、集中力を持ってすべての試合に臨む。ニコと彼のチームは日々、これらの価値観を貫いており、我々は昨シーズンの終盤に歩んだ成功の道を、再び歩み続けることができると信じている」
現在53歳のニコ・コヴァチ氏は、現役時代にヘルタ・ベルリン、レヴァークーゼン、バイエルンなどブンデスリーガを中心に活躍し、クロアチア代表ではキャプテンも務めたこともある。現役引退後は指導者に転身し、古巣のザルツブルクで指導者キャリアをスタート。同クラブのアカデミーで監督を務めた後、トップチームのアシスタントコーチも経験し、以降はU−21クロアチア代表およびA代表で監督を歴任。2015年9月にクロアチア代表の指揮官を離れると、フランクフルト、バイエルン、モナコ、ヴォルフスブルクで監督を務めた。
今年1月30日には、ドルトムントの指揮官に就任。2024−25シーズンのドルトムントは、クラブOBでもあるヌリ・シャヒン氏を指揮官に据え、シーズンをスタートさせていたが、序盤から不安定な戦いが続き、一時はブンデスリーガの中位に低迷。公式戦4連敗を喫したタイミングでシャヒン前監督の解任を決断すると、暫定的にU−19チームのマイク・トゥルベリ監督が指揮を執り、ニコ・コヴァチ氏にバトンを引き継いでいた。
就任直後は苦しんだ印象もあったものの、2024−25シーズン終盤のブンデスリーガ8試合は7勝1分と無敗で駆け抜け、最終的には4位に入ってチャンピオンズリーグ(CL)出場権も獲得。FIFAクラブワールドカップ2025では準々決勝まで駒を進めた。公式戦全体で見ても、2024−25シーズンは公式戦25試合を指揮して15勝4分6敗と安定した成績を収めており、ドルトムントのハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEO(最高経営責任者)は今年4月の時点で続投を明言。当初の契約は2026年6月30日までだったが、契約期間が1年間伸びる形となった。
2025−26シーズンは既に開幕しており、ドルトムントはDFBポカール1回戦で3.リーガのロートヴァイス・エッセンを1−0で下した後、ブンデスリーガ開幕戦では日本代表MF藤田譲瑠チマを擁するザンクトパウリと3−3で引き分けていた。
【ハイライト動画】ドルトムント、ブンデス開幕戦は撃ち合いに