新体操の世界選手権で初の団体総合金メダルを獲得し、リボンも銀に輝いた日本代表「フェアリージャパンPOLA」が26日、開催地のブラジル・リオデジャネイロから千葉・成田空港に帰国した。村田由香里強化本部長(43)が取材に応じ、自身の威圧的指導問題に言及した。
逆風が吹いた中、五輪種目の「総合」で初の快挙を成し遂げた。「日本にとって大きな自信」とたたえた一方で「過信してはいけない。今日から新たなスタートが始まったと思って、来シーズンに向けて動いていきたい」とした。
今年2月、自身の指導から波紋が広がった。度を越した長時間練習を課し、練習中に怒鳴りつけた。一部選手が苦しみ、合宿先から脱走した。
第三者による調査を行わなかった日本体操協会の対応にも、スポーツ庁の室伏広治長官から苦言を呈された。協賛社がウエアから企業ロゴを外すよう要求するなど騒動となり、村田氏は「私自身、離れた方がいいのか、迷った時期はあったのが正直なところ」と明かした。
その後、教え子たちと対話を重ねた中で「目指しているものは一緒」と実感。指導体制を見直した上で続投した。「もう1度、選手たちと一緒に頑張って、積み上げてきたものを成果として残したい気持ちが強くなった。そこからは迷いなく、選手たちが自分たちの力を出し切って、しっかり評価されるためにはどうしたらいいのか、だけを考えて強化に当たってきた。何を言われようとも別に気持ちは揺るがなかったし、やっていることは自分自身、間違っていないと思っていた」と回顧した。自主性を尊重する指導に変更し、世界の頂点に立った。
|
|
一方、今後の進退が注目される。強化体制は「協会の意向で話をしていただいて、その後、決まっていく流れ」として「選手にとって、いい体制になればいいと思っている。私が続投という形になれば、私が思っていることをしたい。そうではないのであれば任せるだけ」と説明した。
鈴木歩佳主将(25)も金メダルを首にかけ「心が折れそうな練習もあった」と吐露したが「チームみんなで前を向いて、声をかけ合って、頑張ってきて良かった」と笑顔を取り戻した。
昨夏パリ五輪は5大会連続出場を逃した。当時を振り返すと、この日も涙がこぼれた。借りを返したい28年ロサンゼルス五輪へ「3年後につながる結果になった。ここで止まらず、さらにレベルアップしたい」と意気込んだ。【飯岡大暉】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。