<楽天10−3ソフトバンク>◇26日◇弘前
ソフトバンクが大敗で痛恨の4連敗を喫した。今季2度目の2ケタ失点で、リーグ連覇へまたも足踏み。先発の大関友久投手(27)は5回6失点(自責1)で、自身の連勝は「9」で止まった。3年ぶりの青森・弘前開催はため息の連発だったが、8回に中村晃外野手(35)が史上139人目の通算1500安打を達成。ソフトバンク一筋の打撃職人が、みちのくのタカ党のために見せ場を作った。
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鋭く振り抜いた打球は、弘前の夜空のもと、きれいな弧を描いた。9点ビハインド。得点は「焼け石に水」でも、中村にとってはメモリアルなアーチだ。本塁打での到達は「いや、ちょっとびっくりしました。僕らしくない」と苦笑いしたが、史上139人目となる通算1500安打を今季3号ソロで豪快に決めた。
7月15日の本拠地ロッテ戦以来の4番に座り、2回の第1打席で右前打。金字塔に王手をかけ、最終打席で節目の記録に達した。「(奈良原)ヘッドからも『あと何本だね』って言われてたので、そういうところは気にかけていただいていた。すごくうれしかったですし、早く達成したいなっていう気持ちはありました」。今季は代打専念で始まったが、序盤に主力が大量離脱。代役4番、一塁守備、再び代打待機…。様々な状況に柔軟に対応し、ベテランの真骨頂を見せてきた。
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帝京(東京)から07年高校生ドラフト3巡目で入団。プロ18年目はチームの誰よりも長い。当たり前のように中村は「野球は好きですよ」と話す。「今まで何をするにも飽きることが多かったけど、野球だけは飽きなかった。球場に行きたくないなって思う日もあるけど、行って試合に出たら何が起こるか分からない。案外そういう時にヒットが出たりしてね。ダメな打ち方ならもちろん無理だけど」。スポーツ特有の筋書きのないドラマに惹かれ、ヒットを重ねてきた。「刺激が強い。こんな職業ない」と楽しんできた。
まずは第1目標を達成。次なる目標について中村は「やっぱり優勝に結びつく1本をどれだけ打てるかということが目標」と語った。試合は3−10で、4連敗。ため息ばかりだった試合で、中村が最後に見せ場を作った。ベテランの意地の1発を機に、再び上昇気流に乗りたい。【只松憲】
▼通算1500安打=中村(ソフトバンク) 26日の楽天戦(弘前)の8回、江原から本塁打を放って達成。プロ野球139人目。初安打は11年5月10日のオリックス4回戦(ヤフードーム)で寺原から。
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