<阪神3−2巨人>◇30日◇甲子園
テルでマジック9! 阪神佐藤輝明内野手(26)が適時打&チャンスメークで1カ月ぶりの甲子園勝利を呼び込んだ。同点の3回に一時は勝ち越し打となる適時打。5回は右翼線二塁打で好機を広げ、熊谷敬宥内野手(29)の決勝押し出し四球をお膳立てした。チームは3連敗を阻止。2位巨人に今季最大タイの15ゲーム差をつけ、ついに優勝マジックを1ケタ台の9とした。
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今季最多4万2643人を飲み込んだマンモス甲子園。LED光線に照らされた背番号8の背中が大きく見える。1カ月ぶりに甲子園のファンに勝利を届けた佐藤輝は、穏やかな笑みで歓喜の輪に加わった。
4番打者の働きだった。どちらに転ぶか分からない展開で、流れをしっかり引き寄せた。「良かったですね。しっかりと自分の考えを持って、いいバッティングができたと思います」と納得の表情で振り返った。
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まずは1−1の3回1死一、三塁。巨人の左腕井上のスライダーに泳がされたが、打球は狭い一、二塁間を抜けていった。再び同点とされた5回には2死一塁から船迫の甘いスライダーをとらえて右翼線二塁打。二、三塁とチャンスを広げ、熊谷の決勝押し出し四球につなげた。
先発高橋が本調子でないながら粘っていた。楽な試合ではない中、つないでもぎ取った1点だ。「ヒーロー」は自分でなくとも、ベンチに戻ると最高の笑顔で仲間と喜び合った。接戦を取れたことに「それが一番です。よかったです」とうなずいた。
昨年までより打撃の「幅」が広がっている。小谷野打撃チーフコーチは「打てるポイントが多くなった印象」と語る。以前から、今年のような打撃ができる時もあった。ただ再現性が低く、シーズン中の好不調の波が極端だった。今年は大崩れすることなく、理想に近いスイングを繰り返してきた。少しタイミングがずれても、バットの軌道がいいため、ヒットゾーンに打球が飛ぶ。すべては、長年の努力のたまものだ。
8月最後の週末。球場の少年たちは佐藤輝のスイングを、息をのんで見つめた。地元西宮で育ってきた佐藤輝にとって、ここ甲子園の歓声は「ほかの球場とは違います」という何よりのビタミン剤。熱烈なファンの大歓声を浴びながら甲子園でプレーすることが至上の喜びと言い切る。
3試合ぶりの勝利。足踏みはすぐに終わった。いよいよ優勝マジックは1桁。最短優勝は9月5日。甲子園での胴上げの期待が大きく高まっている。栄光へのカウントダウンが始まった。【柏原誠】
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