【ハンドボール】ジークスター東京・玉川裕康主将「優勝するチーム作りを」開幕アウトも虎視眈々

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2025年09月06日 06:02  日刊スポーツ

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右肩手術明けでパリ・サンジェルマン戦を欠場した玉川裕康(撮影・小島史椰)

ハンドボールの国内最高峰「リーグH」の2シーズン目が6日、各地で開幕する。昨季3位のジークスター東京は、オープニングゲームで同2位のブレイヴキングス刈谷と対戦。敵地で、いきなりの難敵に挑む。チームは就任3季目を迎える佐藤智仁監督(40)の元、これまで鍛え上げてきた守備を土台とし、さらに進化。個性あふれるプロ集団“シン・ジーク”が、悲願の初優勝へ突っ走る。


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主将2季目を迎える玉川裕康(30)は、虎視眈々(たんたん)と爪を研ぐ。


昨季は勝負どころの終盤に故障に泣いた。4月5日のレッドトルネード佐賀戦で左足首を負傷。プレーオフ直前の5月25日の豊田合成名古屋戦では右肩の腱板(けんばん)断裂を負った。オフに重傷だった右肩の手術を決断。開幕には間に合わないが「合流した時にチーム状況が良ければそのまま、悪かったらそこを直せるようにして入りたい」とリハビリに励む。


豊田合成名古屋に敗れた昨シーズンのプレーオフ準決勝は、痛み止めを打って強行出場した。しかし試合後は、自身の状態よりも、開始4分で一発退場した副将の部井久を思った。「(負けたのは)俺のせいだ、と思ってほしくなかった」。主将としてチームを第一に考える姿があった。


昨季はパリ五輪から一息つく間もなくチームに合流し、代表活動とリーグHでフル回転した。今季も主将を担うが、開幕からコートに立てず「プレーで引っ張れない」と不安もあったという。それでも、外から練習を見ることによる客観的視点を意識。コート上では気づけない目線から、メンバーとの意見交換を増やした。「主将として、けが人だろうが関係なく発言していきたい。必ず決勝に行って、優勝するためのチーム作りをしたい」。26年5月まで続くレギュラーシーズン。万全な状態で戻ってくる。【松本航】


◆24年パリ五輪の男子日本代表 21年東京五輪から2大会連続、開催国枠以外で36年ぶりとなる出場。1次リーグ初戦でクロアチアに29−30と競り負けると、東京大会の1勝4敗を下回る5戦全敗で大会を終えた。ジークスター東京からは玉川、部井久アダム勇樹(26)、元木博紀(33)の3選手が出場。玉川は「ジークでの優勝はもちろん、自分の中では(28年)ロサンゼルス五輪で、パリでできなかったことをすることが目標。それが日本ハンドボール界のためになるし、ジークへの恩返しになる」と誓う。


◆ジークスター東京 18年に前身の東京トライスターズが創部。19年7月に日本リーグ準加盟。20年からジークスター東京として日本リーグ参戦。リーグH(日本リーグ含む)は過去3位が最高。ホーム戦は主にアリーナ立川立飛、ひがしんアリーナ(墨田区)で開催。


◆リーグHとは 日本リーグを前身に生まれた1部制の新リーグで、男子14チーム、女子11チームで24年9月に開幕。リーグ創設初年度の昨季のジークスター東京は、20勝4分け2敗の勝ち点44で、レギュラーシーズン3位。上位6チームによるプレーオフは、準決勝で同2位の豊田合成名古屋に敗れた。豊田合成名古屋は同1位のブレイヴキングス刈谷を決勝で破り、日本リーグからの5連覇で、リーグH初代王者に輝いた。女子はブルーサクヤ鹿児島が頂点に立ち、10連覇中だった北国石川の時代に終止符を打った。

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