<オリックス0−5ソフトバンク>◇15日◇京セラドーム
ソフトバンク中村晃外野手(35)が、亡き恩師にささげる魂の一打を放った。1点リードの3回2死一、三塁から右越えの2点適時二塁打をマーク。オリックス・エスピノーザのツーシームを仕留め、4番の勝負強さを発揮した。9月15日は5年前、コンディショニング担当の川村隆史さんがくも膜下出血のため55歳で亡くなった日。特別な日に白星を勝ち取り、優勝マジックを1つ減らして11とした。
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亡き恩師へささげる一打に、中村は感情を抑えられなかった。ベース上で何度もこぶしを握り、雄たけびも上げた。この日にかける思いは人一倍、強かった。
「もちろん(特別な思いが)ありました。川村さんの力も借りて勝てたのかなと思います」
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気持ちをバットに乗せた。1−0の3回2死一、三塁。「何としてでも(走者を)かえしたいと思った」。カウント1−1からの3球目だった。エスピノーザの真ん中低めツーシームをシャープに振り抜く。打球は右翼フェンスを直撃し、2点適時二塁打に。4番の仕事を果たす1本を放った。
負けられない一戦だった。5年前の20年9月15日。コンディショニング担当を務めていた川村さんがくも膜下出血で急死した。55歳だった。
「本当に恩師の1人です。いつも困った時にはすごく助けてもらった」
07年の入団時から世話になった。トレーニング方法なども教えてもらい「まだ元気でプレーできているのも川村さんのおかげかなと思うので」。試合前は自身のインスタグラムを更新し、川村さんへの感謝の思いをつづった。21年以降の命日は計4試合で9打数4安打、打率4割4分4厘としっかり結果を残す。
特別な日に今年も勝ち、小久保監督も胸をなで下ろした。「昨日(中村)晃とも話したけど、去年も苦しい試合を勝ったよね、と。勝利を報告できて良かったです」。昨年の9月15日の同戦も3−0で勝った。
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チームはオリックス戦に8連勝し、優勝マジックを1つ減らして11に。中村は試合後のヒーロー・インタビューで、川村さんの似顔絵入りTシャツを手にフラッシュライトを浴びた。「あとは、もうみんなで。勝つことを目的に戦っていければ」。天国の川村さんに、チーム一丸でリーグ連覇を届ける。【佐藤究】
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