先週の3日間開催で3歳未勝利戦が終了。それに伴い、今週から2歳未勝利の番組数が増えており、2歳の勝ち上がりが増えて、いよいよ12月開催のGIへ向けて、出走メンバーの大枠が見えてきた。
今週は2歳オープンの野路菊Sが阪神芝1600mで行われる。このレース自体が同じ舞台で行われる阪神JF(12月14日)や朝日杯FS(12月21日)に繋がっていくことはもちろんだが、ここで好走した馬の新馬戦のレベルが高いことを再認識することで、未勝利戦での馬券予想に役立つ部分もあるだろう。
【9月20日(土) 阪神ダート1200m】
◆ジョーヴェスタ(牝、父パイロ、母ジョーカナチャン、栗東・松下武士厩舎)
母ジョーカナチャンは現役時代に松下武士厩舎で管理され、2020年アイビスSDで重賞を制覇。この時の鞍上が菱田裕二騎手だったこともあり「追い切りにもレースにも騎乗してもらう予定です」と松下武士調教師。
9月10日のCWでは菱田裕二騎手が跨り、2歳新馬との併せ馬。6F84.1秒と時計は決して速くなかったが、道中の走りには余裕があり、ゴール前も少し遅れてはいたが、しっかりと負荷をかけることができたという感じ。松下調教師からは「ゲートは速いですよ」とコメントが出ているので、母同様、短距離での活躍に期待したい。
【9月20日(土) 阪神1600m】
◆アトリ(牝、父シスキン、母ウィキッドリーパーフェクト、栗東・清水久詞厩舎)
半兄にGII時代のホープフルSを勝ったハートレー(父ディープインパクト)がおり、その他のきょうだいはサトノギフテッド(父サトノダイヤモンド・1億1500万(税別))などセレクトセールにて高額で取引されている。
本馬は7月16日に栗東でゲート試験を受けて合格。その後、ノーザンファームしがらきで調整して、8月22日に栗東へ再入厩している。9月10日のCWでは3頭併せの真ん中。最後の直線では後ろから追いかけてきたアルマデオロに食い下がる動きを見せて、6F85.0秒、1F11.0秒をマーク。8月下旬からしっかりと乗り込まれているだけに、実戦での走りも楽しみだ。鞍上は吉村誠之助騎手が予定されている。
【9月21日(日) 阪神芝1800m】
◆コスモフィレンツェ(牡、父コントレイル、母タムニア、栗東・北出成人厩舎)
2024年セレクトセール1歳にて、1億500万円(税別)で落札されたコントレイル産駒。半姉には先週のローズSで2着したテレサ(父アドマイヤマーズ)がいる血統でもある。
本馬はゲート試験に合格した後、キャニオンファーム土山で調整。「栗東に比べると涼しい場所なので、ここでじっくりと乗り込みました」と北出成人調教師。トレセンでの追い切り本数は少ないものの、和田竜二騎手(レースでも騎乗予定)が跨ったCWでの1週前追い切りは古馬2勝Cを追走して先着。6F82.4秒、3F36.8秒、1F11.3秒という時計をマークするのだから、中身が出来ていないと出せる時計ではないだろう。父系、母系の血統からも来年も見据えることができる楽しみな馬であることは間違いない。
【9月21日(日) 阪神ダート1800m】
◆サリカリーフォリア(牝、父クリソベリル、母サリネロ、栗東・橋口慎介厩舎)
母系には2019年の高松宮記念でGIを制し、現在は種牡馬として活躍するミスターメロディ(父Scat Daddy)がいる血統。本馬は2023年セレクトセール当歳にて、1800万円(税別)で落札されている。
9月11日のCW追い切りには松山弘平騎手が騎乗。古馬2勝クラスの2頭が先行する併せ馬を最後方から追走して、先頭セレクティオには追い付くことができなかったが、シャンバラには先着。6F82.5秒、3F37.4秒、1F11.6秒は能力の高さを示す時計をマークしたといってよい。あとはもう少し素軽さが出てくればというところだが、ダート中距離でのデビューだから、これでよいのかも知れない。
(取材・文:井内利彰)