世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長=4月16日、スイス・ジュネーブ(EPA時事) 【シンガポール時事】世界貿易機関(WTO)加盟のシンガポールなど14カ国は16日、自由で公正な貿易と投資の推進を目的とした独自の協力の枠組みを創設した。トランプ米政権の関税政策を契機として保護主義台頭への懸念が強まる中、自由貿易体制の維持を掲げる諸国が連携して対抗する。
シンガポール貿易産業省によると、設立されたのは「投資と貿易の未来(FIT)パートナーシップ」。シンガポールのほか、スイス、ブルネイ、チリ、コスタリカ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モロッコ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、ルワンダ、アラブ首長国連邦(UAE)、ウルグアイが名を連ねている。今後、理念を共有する他国の参加も促す方針。
同日のオンライン閣僚級会合で設立が合意された。会合にはWTOのオコンジョイウェアラ事務局長も出席。拘束力を持たない柔軟な協力体制で、幅広い貿易面の課題に対応する。11月にはシンガポールで閣僚級会合が開催される予定。