
【写真】伝説のサイコ・ホラー『笑む窓のある家 4K修復版』予告編
1976年に製作された本作は、イタリアン・ホラー史に残る異常作。風光明媚な田園地帯で起きた連続殺人事件を軸に、狂気、退廃、邪悪に満ちた出来事の数々が次々と明らかになっていく。惨劇が頂点を迎えるラスト4分は、想像を絶する衝撃で観る者すべてを絶望へと誘う。
北イタリアの田舎町。絵画修復師ステファノ(リノ・カポリッキオ)は、教会内のフレスコ画の修復に訪れる。その不気味な絵は「聖セバスティアヌスの殉教」を模したもので、“死に際を描く画家”と呼ばれ、20年前に狂死したブオノ・レニャーニの手によるものだった。
ステファノの友人アントニオは、町では禁忌とされているレニャーニとフレスコ画の関係をひそかに調べていたが、何者かに殺害されてしまう。すべての謎を解く鍵は、生前アントニオが口にしていた“笑む窓のある家”に隠されていた──。
初公開時には注目されることもなく、日本では未公開のままだった本作。欧米でも知る人ぞ知る存在だったが、今世紀に入ってから再評価が進み、『ホステル』の鬼才イーライ・ロス監督が「このジャンルにおける最高傑作の一本」と絶賛。さらに、BFI(英国映画協会)が2013年に発表した「イタリアン・ゴシック・ホラーの傑作10選」にも選ばれている。
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主演は『悲しみの青春』の名優リノ・カポリッキオ。共演には、本作出演後に脚本家へと転身し、近作『チネチッタで会いましょう』などを手がけたフランチェスカ・マルチャーノ。
監督はイタリアの名匠プピ・アヴァティ。『いつか見た風景』『ボローニャの夕暮れ』といった文芸作品で知られる一方、サスペンスやホラーのジャンルでも多彩な作品を発表してきた。本作では、心理的な恐怖を静かに積み重ねながら、不安と焦燥感をかき立てるシュールでアヴァンギャルドなイメージを交え、観る者を狂気と妄執の深淵へと引きずり込んでいく。
このたび解禁された日本オリジナルの予告編は、BFI(英国映画協会)による「イタリアン・ゴシック・ホラーの傑作10選」の紹介から幕を開ける。『悪魔のはらわた』『サスペリア』『デモンズ』などと並び、本作もクレジットされている。
続いて、絵画修復師ステファノが教会にやってくる物語冒頭の場面から始まり、呪われた画家レニャーニが描いた不気味な絵の数々、脅迫電話、転落死、廃屋に描かれた赤い唇、『ホステル』の鬼才イーライ・ロスによる「最高傑作だ」という絶賛コメントが挿入される。
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映画『笑む窓のある家 4K修復版』は、11月21日より全国順次公開。