【世界陸上】田中希実「光も闇もどっちでもいい」“闇への怯え”吹っ切り5000mで決勝進出

0

2025年09月18日 20:50  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

女子5000メートル予選 ゴールし会話を交わす田中(左)と山本(撮影・足立雅史)

<陸上:世界選手権>◇第6日◇18日◇東京・国立競技場◇女子5000メートル予選1組



田中希実(26=ニューバランス)が4大会連続で決勝に進出した。


14分47秒14で5着。「自分はタメを作ったら頑張れる」と2500メートル手前から残り200メートルまで先頭でレースを引っ張り、最終盤も粘った。13日の1500メートルでは予選敗退したが、前回8位入賞の5000メートルでは迷いなく駆け抜けた。


「苦しんだことが何に結びつくのか、自分で見届けたい」


1500メートルで8位入賞した21年東京五輪から4年。世界に挑み続け、今年も8月までに24レースに出場した。同種目代表の山本の5本、広中の8本と比べると破格の試合数。ただそれが、自信になったわけではない。


ある日の国際大会前日。今大会1500メートル5位のヒルツ(米国)から「明日は楽しみ?」と尋ねられると、答えに困った。


「『楽しみ』と答えられなくて。どうしても嫌という気持ちが先に立ってしまった」


田中の5000メートルの今季最高14分34秒10は世界で23番目。レースのたびに世界の厳しさを突き付けられて「闇におびえてしまった」と怖くなった。


ただこの日は「光も闇もどっちでもいい。もうコリゴリ」と吹っ切れた。それがレースプランにも表れた。


20日の決勝では2大会連続入賞がかかる。「自分の透明な気持ちを走りから見せていきたい」と独特の言い回しで誓った。【藤塚大輔】

    ニュース設定