<陸上:世界選手権>◇第6日◇18日◇東京・国立競技場◇女子5000メートル予選1組
田中希実(26=ニューバランス)が4大会連続で決勝に進出した。
14分47秒14で5着。「自分はタメを作ったら頑張れる」と2500メートル手前から残り200メートルまで先頭でレースを引っ張り、最終盤も粘った。13日の1500メートルでは予選敗退したが、前回8位入賞の5000メートルでは迷いなく駆け抜けた。
「苦しんだことが何に結びつくのか、自分で見届けたい」
1500メートルで8位入賞した21年東京五輪から4年。世界に挑み続け、今年も8月までに24レースに出場した。同種目代表の山本の5本、広中の8本と比べると破格の試合数。ただそれが、自信になったわけではない。
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ある日の国際大会前日。今大会1500メートル5位のヒルツ(米国)から「明日は楽しみ?」と尋ねられると、答えに困った。
「『楽しみ』と答えられなくて。どうしても嫌という気持ちが先に立ってしまった」
田中の5000メートルの今季最高14分34秒10は世界で23番目。レースのたびに世界の厳しさを突き付けられて「闇におびえてしまった」と怖くなった。
ただこの日は「光も闇もどっちでもいい。もうコリゴリ」と吹っ切れた。それがレースプランにも表れた。
20日の決勝では2大会連続入賞がかかる。「自分の透明な気持ちを走りから見せていきたい」と独特の言い回しで誓った。【藤塚大輔】
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