<阪神4−0DeNA>◇19日◇甲子園
カンッと乾いた音が響きわたった。26度の低い角度で飛び出した阪神森下翔太外野手(25)の打球は失速せず、左中間席に届いた。出迎えた佐藤輝とのエルボータッチもばっちり。2試合連発の23号ソロ。力投を続ける早川に、最高のプレゼントを贈った。
2−0の5回2死。山崎の低めの146キロ直球を強くすくい上げた。山崎とは過去3度しか対戦がない。直前にツーシームを見て、軌道を確認。2ボールとカウント有利となり、パワースイングをかけた。「走者もいなかったので思い切っていきました。自分のスイングで捉えることができました」と胸を張った。
ここ3戦5打点の量産ぶりで、自己最多の打点を88まで伸ばした。残り8試合。96打点でトップを走る佐藤輝、そして3桁の大台にどこまで迫れるか。モチベーションは高い。4回は「ジャクソン投手からは簡単にはチャンスは作れない。なんでもいいから出ようと思った」と出塁に徹して中前打。高寺の一打で先制のホームを踏んだ。「20」にのぼる勝利打点だけでなく、3番打者らしく、あらゆる形で得点を生み出す。
9月は打率3割9分9厘と好調だが「日々の修正とかも含めて、調子うんぬんで片付けないようにしている」と話したように、試行錯誤の毎日。いわゆる「不調」を感じても、その日のベストを探る。レギュラーで試合に出る責任を改めてかみしめる3年目だ。
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変わらず続ける練習もある。5月上旬、チームに「新戦力」が加わった。森下の要望でメディシンボールが1個追加された。重さは既存のものと同じ3キロだが、1・5倍ほど大きい。これを使って体幹や真っすぐの姿勢を意識したルーティンを行う。故障防止だけでなく、安定したフォーム固めにも役立てている。
守備でも初回無死一、三塁で筒香の詰まった飛球に猛チャージで好捕。早川を救った。「走攻守、全部トップレベルでやりたい」が目指す選手像。25歳が、チームの中核をなす1人となっている。【柏原誠】
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