<陸上:世界選手権>◇第7日◇19日◇東京・国立競技場◇女子やり投げ予選A組
世界女王の北口榛花(27=JAL)が予選で敗退し、全種目を通じて日本女子初となる連覇を逃した。60メートル38で全体14位となり、上位12人による20日の決勝へ進めず。自身の日本記録をちょうど7メートルも下回った。
昨夏にパリ五輪を制した中、今季は6月に右肘痛を発症。約2カ月実戦を離れた影響は大きかった。世界大会2年連続金メダリストもケガには抗えず、世界大会では19年世界選手権以来、6年ぶりに予選で姿を消した。
予選敗退決定前の取材での主な一問一答は以下の通り。
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−今の心境はいかがですか
「多分決勝に残れない。悔しい結果になったんですけど、春先からケガが続いたり、精神的にも苦しい面がたくさんあったりして。そのたびに今年は東京世界陸上があるから、やっぱり練習に戻ろうという気持ちになれた。今季のすてきなゴールを作ってくださった皆さんに、本当に感謝したいです」
−試技の内容はどうでしたか
「(直前の)練習で保護していたテープを外して、そっちの方が感覚が良かったので、テープなしで試合に臨んだ。でもテープがあった、なかったで、どのぐらい自分の気持ちが変わるのかは分からなかった。1投目で60メートルが飛んだところで少しホッとしたけれど、なかなか全力で投げ切る練習はできなかった。試合から遠い練習ばかりになったのかなと思います」
−3投目が終わってからはどのようなことを考えながら待機所のいすに座っていましたか
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「うーん、『これ以上超えないでほしい』とは思っていたんですけど(苦笑)。あの記録だと絶対に超えられるので。厳しいなと思いながら見ていました。でもこの日本で会場いっぱいに観客が入る光景を見られてすごくうれしかったです」
−試技に臨む時は不安な思いがあったか
「肘はあまり不安要素はなくて。最後のダイヤモンドリーグファイナルと同じ感想にはなってしまうんですけど、自分のやりがどのぐらい前に飛んでいくのかが正直想像できないまま練習していたので、そういう不安はありました」
−2年前からずっと世界一に立ち続けていたプレッシャーはありましたか
「競技場に来る前の方が緊張していて、競技場に入って…あ、なんか世界大会だなって思って(笑い)。そんなにプレッシャーみたいなのは感じなかったです。でも、もうちょっと投げられたなという感触はあるので。そこは悔しいなと思います」
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−この経験をどのようにつなげていきますか
「肘のことを考えないで全ての練習ができるということが、一番大事だと思います。世界大会の借りは世界大会でしか返せない。ここで決勝残れなかったからといって、人生終わりだとは思わない。ちょっと長い休みは必要かもしれないですけど、強くなって戻ってきたいと思います」
女子やり投げ予選
<13>上田百寧(ゼンリン)60メートル49
<14>北口榛花(JAL)60メートル38
<30>武本紗栄(オリコ)55メートル11 =落選
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