【とっておきメモ】中田翔の取材楽しかった、記者がバリカンを貸すと下の毛まで刈って返してきた

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2025年09月20日 05:11  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

中日対ヤクルト 1回裏中日2死一塁、打席に立つ中田(撮影・森本幸一)

<中日2−6ヤクルト>◇19日◇バンテリンドーム



今季限りで引退する中日中田翔内野手(36)の引退試合が行われた。「4番・一塁」でスタメン出場。最後の打席となった、1回裏の打席ではヤクルト吉村の直球に空振り三振を喫し、2回表途中で交代した。試合後には引退セレモニーが行われた。恩師や元同僚からのVTRでのメッセージが流れ、家族から花球を受け取ると涙腺が崩壊。最後は場内を一周し、現役生活に幕を下ろした。


   ◇   ◇   ◇


出会いは中田が18歳で、私が29歳のとき。だがみなさんの想像通り!? 中田はいつも友達…いや、先輩かのような振る舞いで接してきた。遠くから口笛で人を呼びつけ、丸刈りの私がバリカンを貸すと下の毛まで刈って返してくる(それを笑いながら報告してくる)。


たまたまなのだが、中田と私の第1子、第2子はともに同じ名前。「かぶっとるやん。気持ち悪い。(名前を)変えろや」とめちゃくちゃなことを言われたが、それは無理だろ…2人ともウチの子が1年上なのだ。


みんなが話しているように、中田は顔は怖いし、言葉も悪いが、優しくて頼りがいのある“いいやつ”。だから私も、取材した日々は楽しかった。冒頭から書いたようなことが日常茶飯事だったとしても、だ。


私も取材現場を離れ、中田も球団を渡り歩いた。最後に会ったのは中日がエスコンフィールドに来た、昨年の交流戦だったと思う。打撃の状態に「全然アカンわ」と、珍しく? おとなしかった。すでに思うようなプレーができなくなっていたのだろう。「もっと成績を残せたはず」。中田のことをそう評する声も聞く。でも私は、数字ではなく、豪快で、格好つけで、そして繊細な「中田翔」に魅力を感じてきた。そんなファンがたくさんいる。そう感じた引退試合だった。【07〜17年日本ハム担当=本間翼】

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