
大学を選ぶとき、かつては「ネームバリュー」や「偏差値」が大きな決め手とされていましたが、Z世代が大学選びで重視していることはどのようなことがあるのでしょうか。Z世代向けの企画・マーケティングを行う「僕と私と株式会社」(東京都渋谷区)が実施した「Z世代に聞いた!『大学選び』」に関する意識調査によると、「偏差値」より「自分の興味」であることがわかりました。
調査は、高校1〜3年生または既卒で、大学進学を検討中のZ世代(15〜23歳)300人を対象として、2025年7月〜8月の期間にインターネットで実施されました。
その結果、Z世代が「大学選びで重視していること」は、「偏差値や大学の知名度・ブランド力が高い」(37.3%)や「キャンパス・施設が魅力的」(34.0%)を大きく上回り、「学部・専攻の内容が自分の興味に合っているか」(57.0%)が最多となり、“自分軸”を優先して大学を選んでいることがわかりました。
一方で、「自宅から通える・立地がよい」(44.7%)や「学費・生活費が安い」(35.7%)といった現実的な条件を重視する回答も多く見られることから、“好きなことや興味のある分野を学びたい”という理想と、“無理なく通えるか、費用を負担できるか”という現実の両方を踏まえて判断する姿勢が、Z世代の大学選びの大きな特徴となっています。
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大学選びにあたって、Z世代は「知名度」よりも「自分の興味関心」を重視する傾向が明らかになりました。では、「知名度が高くない大学でも進学したいと思う理由」には、どのようなものがあるのでしょうか。
調査の結果、「自宅から近く安心して通える」(30.7%)や「学費・生活コストが安い」(30.0%)「学びたい分野・専攻が明確にある」(29.3%)といった現実的な条件に加え、「おしゃれなキャンパスや充実した施設」(24.3%)といった要素も支持を集めました。
一方で、「有名企業への就職実績がある」(22.3%)や「自分の志望業界への就職実績がある」(21.7%)、「資格取得の支援が手厚い」「学生同士や教授との距離が近く、人間関係が良さそうだから」(いずれも19.7%)といった回答も目立ちました。
また、「大学選びの際に”本当は知りたい”と思う情報」については、「自分に似たタイプの学生が多そうか、なじめそうかどうか」(30.3%)や「授業の雰囲気や教授のキャラクター」(28.0%)といった、人間関係やキャンパスの空気感に関する回答が上位に挙がりました。
これらの調査結果を踏まえて同社は、「Z世代の大学選びは、偏差値や知名度といった従来型の基準による進学先の決定ではなく、専攻内容や人間関係、キャンパスの雰囲気を含めた”自分らしく過ごせる環境の選択”へとシフトしていることがうかがえます。大学広報においては、こうした視点を踏まえ、学生が求めるリアルなキャンパス像を伝える情報発信が求められると言えるでしょう」とコメントしています。
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