アート初心者でも楽しめる!「ゴッホ展」東京展の様子をレポ。学生は今だけ“無料”で楽しめちゃうよ

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2025年09月20日 10:50  isuta

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isuta

2025年9月12日(金)、東京・上野の東京都美術館にて「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展がスタート。8月31日まで大阪市立美術館で開催されていた展覧会が、東京へやってきました。

今では世界に広く知られているフィンセント・ファン・ゴッホの作品が、どのように伝えられてきたのか。本展は、家族が受け継いできたコレクションに焦点を当てた展覧会です。

会場には、イマーシブ(没入)体験ができる映像コーナーも。内覧会に足を運んだisutaエディターが、中の様子をレポしていきます。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展が開幕

フィンセント・ファン・ゴッホ《グラジオラスとエゾギクを生けた花瓶》1886年8-9月 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

2025年9月12日(金)〜12月21日(日)の期間、東京都美術館にて開催中の「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展。

先に大阪市立美術館で開催され、東京展のあとは2026年1月3日(土)〜3月23日(月)の期間、愛知県美術館での巡回が予定されています。

《ヒマワリ》や《星月夜》などで知られる、フィンセント・ファン・ゴッホ。“彼の作品は、死後に高く評価された”という話を聞いたことがあるかもしれません。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子

ファン・ゴッホの画業を支え、大部分の作品を保管していたのは弟のテオでした。しかし1890年、フランスのオーヴェール=シュル=オワーズにてファン・ゴッホが命を絶った半年後、テオも生涯を閉じることに。

その後、テオの妻・ヨーが膨大なコレクションを管理することになります。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」のチラシ

ヨーは義理の兄の作品を展覧会に貸し出し、販売し、膨大な手紙を整理して出版。その息子フィンセント・ウィレムは、フィンセント・ファン・ゴッホ財団をつくり、美術館の設立に尽力したといいます。

現在、オランダ・アムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館には彼の作品の多くが収蔵されていますが、これは1973年の開館時に、フィンセント・ファン・ゴッホ財団が永久貸与したものだそう。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子 ジョン・ピーター・ラッセル《フィンセント・ファン・ゴッホの肖像》1886年 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

そのように、ファン・ゴッホの作品は彼の家族によって、現在まで受け継がれ、広く知られるようになったのです。

本展では、彼ら家族が受け継いできたコレクションにフォーカス。歴史を知ることで、より作品への理解も深まりそうですよ。

自画像、初来日となるゴッホの手紙にも注目

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子

本展は全5章で構成されており、まずは家族の紹介から。兄のファン・ゴッホを経済的・精神的に支え続けた弟・テオ、義理の兄の名声を高めることに人生を捧げた義妹・ヨー、そしてテオとヨーの息子・フィンセント・ウィレムについて記されています。

ファン・ゴッホの有名作品の1つである《花咲くアーモンドの木の枝》は、フィンセントの誕生を祝って描かれたものなのだとか。

第2章ではファン・ゴッホ兄弟のコレクション、第3章ではファン・ゴッホの絵画と素描が展示されています。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子 フィンセント・ファン・ゴッホ《画家としての自画像》1887年12月-1888年2月 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

本展ではファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ファン・ゴッホの作品30点以上を展示。特に注目したいのが、2年間のパリ時代終盤に描かれた《画家としての自画像》です。

ヨーは、ファン・ゴッホに初めて会う前に病気と知らされていたそうですが、想像していた姿と異なり、たくましく健康的な様子に驚いたそう。彼の自画像の中でも、本作の姿がこのときの印象によく似ていると、ヨーは回想しています。

力強くも、物悲しくも見える表情を、ぜひ実際に作品を見て確かめてみてください。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子 フィンセント・ファン・ゴッホ「ふたりの掘る女性が描かれたアントン・ファン・ラッパルト宛ての手紙(3枚目)」1885年8月18日頃 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

さらに、日本初公開となるファン・ゴッホの手紙4通も展示。

本展で展示されている4通の手紙は長らく所在不明で、2006年に個人コレクションで発見されたものだといいます。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子 フィンセント・ファン・ゴッホ「ベンチに座る4人の人物と赤ん坊が描かれたアントン・ファン・ラッパルト宛の手紙」1882年9月12-17日頃 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

ファン・ゴッホの手紙には質の悪い紙が使われていることが多く、また色褪せしやすいインクで書かれているため、実物が展示されることはめったにないとのこと。

実物の手紙が見られる貴重な機会を、お見逃しなく。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子 フィンセント・ファン・ゴッホ《羊毛を刈る人(ミレーによる)》1888年9月 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

また、印象的だったのがファン・ゴッホによる、先人たちの作品の模写。

ミレーの模写作品にも、ゴッホらしさが反映されており、その点に注目しながら鑑賞してみるのもおもしろいかもしれません。

イマーシブ(没入)体験できる映像コーナーも

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子

展示の最後には、大規模空間での映像上映も実施。

最近話題のイマーシブ(没入)体験ができるコーナーで、幅14メートルを超える空間で彼の作品を楽しめます。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子

《花咲くアーモンドの木の枝》など、ファン・ゴッホ美術館の代表作を高精細画像で投影するほか、3Dスキャンを行ってCGにした《ひまわり》(SOMPO美術館蔵)の映像も紹介。

大画面だからこそ見られる、細かな筆使いや絵の具の使い方にも注目してみてくださいね。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」東京展の様子

初心者にも優しい「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」。

なんと9月中の平日に限り、大学・専門学校生は無料で鑑賞できるんです!少しでも気になっていたという方は、この機会にアートに触れてみてはいかがでしょう。

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢(東京展) 会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36) 会期:2025年9月12日(金)〜12月21日(日)※土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制 料金:一般 2300円/大学生・専門学校生 1300円(9月中の平日は大学・専門学校生は無料)/65歳以上 1600円/18歳以下、高校生以下 無料 公式サイト:https://gogh2025-26.jp 公式Instagram:@gogh2025_26 問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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