
近鉄が9月1日から10月31日まで、大阪難波駅、大阪上本町駅、鶴橋駅、大阪阿部野橋駅、京都駅、丹波橋駅、近鉄名古屋駅から発車する特急列車にお得に乗車できる「チケレス夜割キャンペーン」の実施を発表しました。「チケレス夜割キャンペーン」の具体的なメリットについて、考えてみました。
平日限定 20時以降は特急料金がお得に
「チケレス夜割キャンペーン」は平日限定のキャンペーン。20時以降に大阪難波駅、大阪上本町駅、鶴橋駅、大阪阿部野橋駅、京橋駅、丹波橋駅、近鉄名古屋駅を発車する特急列車の特急券が割り引かれます。
対象区間は520円区間と920円区間。520円区間は100円割引の420円、920円区間は150円割引の770円になります。
注意点は特急券購入の際に、近鉄特急チケットサービスを利用すること。決済ではクレジットカードなどの他に、Pay Payも使えます。
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なお、デラックスシート、「ひのとり」に乗車する際は、特急券とは別に特別車両料金が必要です。特別車両料金はキャンペーンの対象外です。
他の鉄道会社と比較すると
関西でも、帰宅時間帯に座席指定列車・座席指定車両を運行しています。京阪は平日朝夕ラッシュ・夜間時間帯に、座席指定列車「ライナー」を設定。「ライナー」の乗車に必要な「ライナー券」の料金は300円もしくは380円です。
阪急京都線の座席指定車両「PRiVACE」は、乗車券プラス一律500円で乗車可能です。JR西日本の一部の新快速にある座席指定車両「Aシート」では、一律600円のチケットレス座席指定券が使えます。
一方、座席指定車両を有する南海特急では、難波と和歌山を結ぶ特急「サザン」、難波と和歌山県の橋本を結ぶ特急「りんかん」、難波と和泉中央を結ぶ特急「泉北ライナー」の座席指定料金は一律520円です。
それぞれの座席指定列車・車両の基本的な座席は、「ライナー」が転換クロスシート、「PRiVACE」、「Aシート」、南海特急座席指定車両がリクライニングシートです。
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もともと、近鉄の特急料金は乗車キロ1〜40キロが520円、乗車キロ41〜80キロ(南大阪線除く)920円のため、他の関西の座席指定料金と比較すると割高です。近鉄特急は速達性には優れていますが、帰宅時の着席サービスの観点から見ると、料金面では不利といえます。
前述したとおり、キャンペーン適用の特急券は、520円区間が420円、920円区間が770円です。他社の座席指定券の料金と比較します。
阪急「PRiVACE」の場合、大阪梅田〜長岡天神間(34.1キロ)であれば、近鉄の方が安くなります。1〜40キロだと、同じくリクライニングシートを有する阪急「PRiVACE」、JR「Aシート」、南海特急よりも近鉄特急の方が安くなります。
しかし、41〜80キロはキャンペーン適用後も770円のため、近鉄の割高感が残ってしまいます。
例外は南大阪線・吉野線です。南大阪線・吉野線は41キロ以遠も520円のため、キャンペーン後は420円で特急列車に乗車できます。
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(まいどなニュース特約・新田 浩之)