『ONE PIECE』ゲッコー・モリアは善か悪か? 研究家が指摘するキーマンとしての可能性

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2025年09月21日 18:00  リアルサウンド

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画像はイメージ photo by Unsplash

※本稿は『ONE PIECE』単行本未収録の話のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。


 『ONE PIECE』第1158話の扉絵にて、驚愕の事実が描かれ読者の間で大きな盛り上がりをみせた。スリラーバーク編では敵としてルフィたちの行く手を塞いだゲッコー・モリアが、ワノ国では「国を守るためカイドウと戦った英雄“光月もりあ”」として知られていた可能性が示唆されたからだ。


【画像】もしチョッパーが現実世界にいたら?


 モリアとカイドウがかつて、ワノ国で戦ったことは以前から描かれていた。しかし、モリアがおでんやモモの助と同じ「光月」であるのは、本当であればまさかの新事実である。


 ワノ国・鈴後に建てられた「光月もりあ」の墓標は何を意味するのか。ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞いた。


 「『光月もりあ』の文字を見たときは、単純にものすごくびっくりしましたね。明かされた話の数話前の扉絵から、ワノ国の英雄と思われる人物の墓については描かれていました。でも正直風のジゴロウくらいしか思い浮かばなくて、『風のジゴロウで引っ張ってもジゴロウを覚えてる読者ってあんまりいないのでは……』と思っていたんです。そこでまさかのモリアだったので、ゾクっとしましたね。『光月もりあ』に関しては、2つのパターンがあると思います。まずは、モリアが本当に光月家の人間である可能性です。例えばスキヤキとは違う光月の血筋が、昔にワノ国から出国し『光月』から『ゲッコー』に名を改め暮らしていた。その末裔であるモリアがワノ国に戻りしばらく生活した後、カイドウと戦ったという可能性もあるでしょう。もう1つは、カイドウと戦ったモリアをワノ国の人々はヒーロー視し、ヒーローの代名詞として『光月』と呼んだ可能性です。どちらにせよ『西の海生まれ鈴後育ち』と言われているので、ある程度の期間鈴後に住んでいたのは間違いないはず。経緯は明かされていませんが、『鈴後で暮らしていたモリアが人々を困らせていたカイドウと戦ったこと』『ワノ国の人々はモリアを“光月”と呼び英雄視していること』は可能性が高いように思えます」


 スリラーバークでルフィの前に立ちはだかった際は、凶悪な敵以外の何者でもなかったモリア。しかし、その後の再登場では違った一面もみせている。


「モリアがカイドウと戦った理由は、今後大切になってくるであろうモリアの素性や本性を考えるうえで、非常に重要だと思います。もちろんモリアが自分の利益のために、ただの海賊としてカイドウと戦った可能性もあるでしょう。しかし、彼のこれまでの行動を見ていると、本当にワノ国を守るために戦った可能性も全然あると思うんですよね。モリアは仲間からすると、いい船長であるように感じます。モリアが窮地に陥った際のペローナやアブサロムの反応をみると、相当慕われていたようです。またアブサロムがピンチと知れば、四皇であるティーチの根城に単身で突っ込む漢気もみせていました。仲間のために四皇のアジトで大暴れするなんて、ルフィレベルの仲間想いですよ。私たちはルフィを通して世界を見ているのでモリアは敵という認識ですが、彼の行動をみると正真正銘ワノ国の英雄として戦う姿も想像できてしまいます」


 扉絵にて光月の名前が登場したが、光月には忘れてはならない世界を揺るがすほど重要な特性がある。


「モリアが本当に光月の人間ならば、彼がポーネグリフを読める可能性がでてきます。現状、四皇が率いる海賊団のうち、3つの海賊団がポーネグリフを読む手段を得ていると推測しているんです。ルフィにはロビンが、ティーチにはプリンがいます。シャンクスはロジャー海賊団にいた経験もありますし、世界を放浪している様子からシャンクス自体が、もしくは何らかの方法で古代文字が読める可能性が考えられます。唯一、ポーネグリフを読む手段を持っていないのがバギーなのではないでしょうか。もしバギーとモリアが合流した場合、四皇全員がラフテルに行く資格を得たと言えるでしょう。扉絵で重要な事実が明かされた以上、今後モリアがどこかでキーマンとして登場するのは間違いないと思います。モリアの動向、そしてバギーとモリアの関係性に注目です」


 他人の影と人生を奪い、人の力で海賊王になろうとしていたゲッコー・モリア。もし彼が本当に光月の人間でワノ国を守ろうとしたなら、イメージを180度変え再び英雄になるときがくるかもしれない。


(文・取材=青木圭介 取材協力=神木健児)



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