「もう起きてほしくない」 遺族ら各地で追悼の祈り 能登豪雨1年

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2025年09月21日 19:31  毎日新聞

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毎日新聞

中山美紀さんが見つかった場所の近くで手を合わせる弟の真さん=石川県能登町で2025年9月21日午後4時15分、岩本一希撮影

 災害関連死の3人を含めて19人が死亡した能登豪雨は、21日で発生から1年となった。石川・能登半島の各地では、遺族や被災者らが犠牲者に祈りをささげた。


 塚田川が氾濫し、喜三(きそ)翼音(はのん)さん(当時14歳)ら4人が犠牲になった輪島市久手川(ふてがわ)地区では、翼音さんの祖父、誠志(さとし)さん(64)が午前中、自宅跡を訪れた。翼音さんが好きだったというバラの花を手向け「翼音が暮らした場所で手を合わせたかった。このような出来事はもう起きてほしくない」と語った。


 その後、近くでは馳浩知事らも黙とうした。


 2024年元日に起きた能登半島地震と豪雨をきっかけにして、今年7月に輪島市で開局した臨時災害放送局(災害FM)「まちのラジオ」の特別番組がこの日、放送された。


 出演したのは中山真さん(29)。地震の前、両親と祖父母と姉の6人で暮らしていたが、地震により自宅は全壊。市内の仮設住宅に移り住んだ。


 1年前の豪雨では、31歳だった姉の美紀さんを亡くした。


 中山さんは思い出を手紙につづり、「一緒にいてくれてありがとう。空の上から見守っていてね」と涙ながらに語りかけた。


 地震と豪雨のため、県内外の仮設住宅で暮らしている被災者は、今月10日の時点で9433世帯の1万9000人余りに上る。【岩本一希、島袋太輔、中尾卓英】



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