福岡トランポリン汚職 贈賄側の会社社長に有罪判決 地裁支部
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2025年09月24日 17:13 毎日新聞

福岡地裁小倉支部=北九州市小倉北区で、成松秋穂撮影 福岡県が助成する健康事業「ケア・トランポリン運動」を巡る汚職事件で、元県議の片岡誠二被告(59)=収賄罪などで起訴=への贈賄罪に問われた北九州市の会社社長、鬼木義美被告(66)に対し、福岡地裁小倉支部は24日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した。三芳純平裁判長は「不当な利益を得ることを意図して高額な賄賂を供与した。刑事責任は重い」と述べた。
判決などによると、ケア・トランポリンは手すり付きの円形跳躍器具。県は市町村が関連の健康教室を開く際の費用を補助しており、2022、23年度はそれぞれ約1億7800万円の助成予算を付けた。鬼木被告は器具の販売などを担う別会社「ケアテック」の実質的経営者でもあった。
判決は鬼木被告について、助成予算の約半額が同社の収入になるため、片岡被告に可決された県予算に応じた金額の賄賂を供与したと指摘。「多額の賄賂により、予算案の表決という県議にとって最も重要といえる公務の公正な遂行に強い疑念を生じさせた」と非難した。ただ、起訴内容を認めて謝罪したことなどを踏まえ、執行猶予を付けた。
判決によると、鬼木被告は22、23年度の助成予算案が県議会で可決されるように便宜を図った見返りとして、片岡被告に22年4月に2800万円、23年4月に2718万円を渡した。【井土映美】
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