ナムラクレア(撮影:高橋正和) 今週の日曜日は、中山競馬場でスプリンターズステークス(GI・芝1200m)が行われます。
今年のスプリンターズSの想定オッズを見るとサトノレーヴ、ナムラクレア、ママコチャ、トウシンマカオが上位人気になりそうです。この4頭はすべて6歳馬。GIで6歳馬がこれだけ上位人気を占めるのは珍しい現象と言えそうです。
ただ、過去10年のスプリンターズSでは意外にも高齢馬が活躍しています。ここ10年のスプリンターズSに出走した6歳以上の馬は3勝2着1回3着3回と健闘しています。高齢馬だからと言って軽視するのは少々危険かもしれません。一方で単勝や複勝の回収率は100%を切っていますので、6歳以上の馬をすべて買うのも得策ではありません。しっかりとした根拠に基づいて買う馬、買わない馬を見極めることが重要になってくるのではないでしょうか。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
6歳以上の牝馬(ただし、GI勝ちの実績がある馬は除く)
[0-0-0-7]複勝率0%
該当馬:ドロップオブライト、ナムラクレア
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるナムラクレアが該当しました。
先述したように近年のスプリンターズSは6歳以上の馬でもチャンスのある一戦ですが、6歳以上の牝馬でGI勝ちの実績がない馬については好走例がありませんでした。
6歳以上の馬は年齢的に大きな上積みは見込めないですし、全盛期のような走りも難しくなります。特に牝馬は牡馬よりもその傾向が強くなるため苦戦しているのでしょう。ただし、GIを勝っている馬については元々の地力が高いため、年齢的な衰えがあったとしても能力の違いでカバーできるため、好走するケースがあるのだと思います。しかし、6歳以上の牝馬でGI勝ちの実績がない馬については、抜きんでた能力がないため年齢の衰えに抗えないのでしょう。
該当馬に挙げたナムラクレアは今年で6歳になったベテラン。これまでGIで何度も上位争いに絡んでいますが、いまだにGIタイトルは獲得していません。GIで勝ち切れていないのは他馬を圧倒するほどの能力はないと言えるかもしれません。また、近走はスタートから行き脚がつかずに後方からの競馬になっていますが、これも年齢的なモノがあってのことなのかもしれません。
これまでの実績から能力的に上位争いを演じても何ら不思議はありませんが、過去の傾向から見せ場なく敗れたとしても驚きはありません。上位人気が有力で大きなリターンに期待できないことも考えると、本馬の評価を割り引いて考えるのも期待値的には有効な手段になるのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。