ロッテドラフト5位・廣池康志郎(撮影=岩下雄太) 「勝ち試合とか関係なく、自分のできるボールを投げようと思って投げています」。
ロッテのドラフト5位・廣池康志郎は、7月19日に2度目の昇格を果たしてから、1度もファームに落ちることなく一軍でプレーし、ここ最近は同点、勝ち試合の場面でも登板している。
8月3の西武戦で2回を無失点に抑え、プロ初ホールドをマークすると、8月15日のソフトバンク戦、続く8月19日の楽天戦と2試合連続で失点し敗戦投手に。8月31日のソフトバンク戦ではプロ入り後初めて勝ち試合の8回に登板し、9月17日のオリックス戦では1−1の8回に登板し無失点に抑えると、直後の9回表に勝ち越し、嬉しいプロ初勝利を手にした。
9月23日の西武戦では1−0の8回に登板し無失点に抑え、ここまで17試合・19回1/3を投げ、1勝3敗3ホールド、防御率5.12の成績を残す。
ストレートで言えば、9月5日の西武戦、3−5の8回先頭の高松渡を2ストライクから空振り三振に仕留めた3球目のインコース150キロストレート、同日の西武戦、3−5の8回二死一塁で元山飛優を1ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた4球目の外角151キロストレートがよかった。
「最近狙ったコースに投げられていることが多いんですが、23日の西武戦はちょっと引っかけることが多かった。まだまだ精度が良いとは言えないかなと感じますね」と、冷静に自己分析する。
変化球は8月24日の取材で、「上がってきてからいい時もあったんですけど、なかなか腕の振りが緩くなることもあった。昨日(8月23日)の登板前とかはちゃんと投手コーチと話をしてとにかく腕を振らないと右バッターも反応してくれないから、とにかく腕振って投げろと言われました」と話していたが、現在も「一番は自分の課題としては変化球の時に腕が緩むので、そこはだいぶピッチング練習とかでも意識してやってきて、23日の試合でも変化球は腕が振れて投げられているのかなと思います」と語った。
その中で、8月27日のオリックス戦、6−1の9回一死走者なしで紅林弘太郎に1ストライクから投じた2球目の123キロチェンジアップ空振りは良い抜けだった。チェンジアップについて「自分のチェンジアップは落差はないのですが、まっすぐに見えてスピードが落ちてる球。ファウルとか取れているので、いい感じだと思います」と納得のいくボールが投げられているようだ。
7月に再昇格を果たしてから一軍でプレーし続ける廣池だが、一軍で投げ続けるために必要なことはどんなことだと考えているのだろうかーー。
「なんですかね〜」と少し考えた後、「中継ぎで投げていてファームだったら1試合投げたら1週間空いたりするんですけど、一軍だったら中3日とかで自分の場合投げることが多くて、そこのリカバリーとかの面でも大事だなと感じます」と明かした。
若手主体のチームの中で、廣池と近い世代の選手たちが多く一軍にいる。「年が近い選手が活躍していると自分も頑張らないといけないなと思いますね」と刺激を受ける。
「シーズンもあと少しなので、とにかく無失点で。ヒットを打たれても無失点で帰ってくることを目標に頑張ろうかなと思います」。無失点に抑えることにこだわり、腕を振っていく。
取材・文=岩下雄太