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化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件で、警視庁公安部の当時の捜査員2人に対する不起訴処分(容疑不十分)が検察審査会から「不当」と議決されたことを受け、大川原化工機側が29日、記者会見した。東京地検が今後、再捜査することになるが、大川原正明社長(76)は「おかしいことを許してしまうと、警察、検察を誰も信用できなくなる。きっちりと起訴してほしい」と訴えた。
東京第6検察審査会は、公安部の捜査を「立件ありき」と批判し、不利な実験データを削除するなど、実験内容と異なる二つの虚偽が意図的に公文書に記載されたと認定した。文書を作成した巡査部長(当時)と、捜査を指揮した宮園勇人・元警部=定年退職=の2人に対する虚偽有印公文書作成・同行使罪が成立するとし、地検の不起訴を不当とした。
議決は「ぜひ検察官の手で本件を司法の場で明らかにすることができるよう、改めて検討されたい」と結んでおり、地検に処分の見直しを強く求めている。
大川原化工機代理人の高田剛弁護士は「強いメッセージと受け止めている。ここまで書かれておきながら、東京地検が不起訴にした場合、検察官の手でこの事件に再び蓋(ふた)をするということだと思う」と話した。
公安部と地検の捜査を違法と認定した国家賠償訴訟の1、2審判決や、警視庁が8月に公表した検証報告書は実験のデータ削除の問題には触れていない。【遠藤浩二】
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