地域の観光について意見を交わすキレグレン氏(右から1人目)ら=26日午後、東京都千代田区 イタリアの中山間地域で行われている空き家を宿泊施設として活用する取り組みを日本でも広げようと、専門家や地域の関係者を交えたシンポジウムが26日、東京都内で開かれ、地方創生や観光関係者ら約350人が参加した。
イタリアでは「アルベルゴ・ディフーゾ(分散型ホテル)」と呼ばれる、空き家や伝統的な建築物を、客室やレストランといったホテルの施設に改装し、地域全体を宿泊施設として使う取り組みが行われている。現地で事業に携わるダニエーレ・キレグレン氏は「このプロジェクトの再現性は高い」と述べ、伝統的な暮らしや建物が残る日本の地方でも有効だと説明した。
トークセッションでは、シンポジウムを主催した日本ファームステイ協会理事長の皆川芳嗣氏や、長崎県平戸市の黒田成彦市長らがキレグレン氏と意見を交わした。黒田氏は「旅人と地元のコラボレーションが財産になる」と強調。キレグレン氏は「これからの観光は有名観光地より(文化や建物などの)独自のアイデンティティーを持つ地域に向かうのではないか」と語った。