凱旋門賞が行われるパリロンシャン競馬場(撮影:高橋正和) 今週末はいよいよフランス・パリロンシャン競馬場で凱旋門賞が行われる。欧州最高峰のレースが控えるパリでは、10月7日まで「パリファッションウィーク」が開催中。“パリコレ”の通称で知られる催しは、ファッション界の各ブランドが次シーズンの新作を発表する期間であり、競馬とファッションという異なる業種のビッグイベントは、奇遇にも同じ地域、タイミングで行われているのだ。そこで競馬界の“ファッション”について調べてみた。
競馬で“ファッション”といえばまず思い浮かぶのは勝負服だろう。レース中の各馬を識別するため、重要な役割を持っている。JRAの勝負服は馬主ごとに決まっており、現在登録してある数は約2000種。色は赤、桃、黄などの13色で、柄はたすきや縦じまなど15種類。胴のみ使え、腕には使用できないデザインも。また、胴と袖・地色と模様に1色ずつの最大4色までという決まりもある中で、それぞれを組み合わせて個性あふれる勝負服が生まれているのだ。
海外では日本よりも自由度が高い国が多い。凱旋門賞が行われるフランスでは18色と25種類のパターンを組み合わせて選択可能。大きな違いは帽子も勝負服の一部になること。日本では枠ごとに決まった色になるが、勝負服のデザインがそのまま帽子にも反映される。ただし同一馬主が同じレースに複数の馬を出走させる場合は、異なる色の帽子を着用し識別できるようにする場合も。
ほかにもアメリカでは馬主のイニシャルやエンブレムを入れることができたり、イギリスでは追加費用を払うとオーダーメイドのデザインを作成することができるなど、海外では日本で見られないようなデザインも目にすることがある。
最後に観客のファッションについても少し触れておこう。凱旋門賞の当日には、入場客のドレスコードが定められていることをご存じだろうか。「Elegance and refinement(優雅さと洗練)」というキーワードのもと、男性はスーツにネクタイ着用。女性はドレスなどがふさわしいとされている。日本の競馬場ではTシャツやデニムといったカジュアルな服装が目立つが、これも文化の違いといえよう。
世界中からパリに注目が集まる一週間。競馬ファンが心待ちにする凱旋門賞は、ぜひ“ファッション”の面でも楽しみたい。