道の駅のプロが教える「いま行くべき3駅」。 一年中牡蠣が美味しい、ジップラインと美人の湯、なると金時スイーツ天国etc.

0

2025年10月02日 09:20  日刊SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊SPA!

筆者おすすめの、厚岸産の「カキえもん」「マルえもん」「弁天かき」の3種類が食べられる食べ比べセット
 なにもかもが値上がりし、海外はおろか国内旅行まで縁遠くなってしまった人も多いだろう。そんな方にオススメしたいのが、地域のおいしいものや見どころが凝縮した、コスパ最高の道の駅を訪ねる旅だ。
 全国に1230駅ある道の駅から、道の駅のプロが、いま行くべきおすすめの3駅を紹介する。

◆1年365日、牡蠣料理が食べられるグルメ道の駅! 「厚岸グルメパーク」(北海道)

 牡蠣の旬は「er」のつく月と聞いたことがないだろうか。英語で語尾にerがつくSeptember(9月)からDecember(12月)までの4カ月が牡蠣の美味しい季節といわれている。

 しかし、厚岸(あっけし)の牡蠣は例外。厚岸湖と厚岸湾が交わる汽水域に広がるこのエリア特有の大きな温度差を生かして、牡蠣の産卵時期を調整。

 産卵後に身が痩せるという現象をコントロールすることで、一年中牡蠣を出荷できるようになった。

 そのため厚岸では「erの法則」が当てはまらず、一年中、新鮮な牡蠣を食べることができる。春夏はサッパリ系、秋から甘みが増し、冬になると濃厚な甘さの牡蠣になるといわれている。

 そんな厚岸の牡蠣を存分に味わえるのが道の駅「厚岸グルメパーク」である。

 1階の物産館には地元産の海産物や加工品がずらりと並び、なかでも目を引くのが牡蠣を使った佃煮、オイスターソース、燻製など牡蠣づくしの商品だ。

「オイスターカフェ」では、牡蠣の唐揚げを使った「オイスタードッグ」などドライブの休憩中に食べられる軽食を用意。

 小さな水族館「プティ」もあって、水槽のなかで牡蠣が養殖されている姿が見られる。厚岸ではホタテ貝の上に牡蠣の稚貝を付着させて養殖。牡蠣養殖のマメ知識がつけられる展示もある。

 2階に上がると魚介市場があり、ここでも牡蠣を中心に旬の魚介類が並ぶ。お土産として購入するのはもちろんのこと、隣接する「炭焼 炙屋」へ持ち込めば、その場でBBQできる。

 自分の好きなものだけ、それも新鮮な魚介類を味わうことができる(別途持ち込み料が必要)。

◆ウィスキーにカレーも! 大人も子供も大満足

 2階には炭焼炙屋のほかに2店舗の食事処があってそちらもおすすめだ。

「オイスターバール ピトレスク」では、牡蠣を使ったピザやパスタが味わえるほか、全国的に人気で品薄の「厚岸ウイスキー」も飲める。

「厚岸ウイスキーの飲み比べセット」があるのがうれしい。

「レストラン エスカル」はとにかくメニューが豊富。和・洋食のどちらも食べられるので、いろいろあるメニューのなかから選びたい人向けだ。

 安くて新鮮で美味しい牡蠣を食べるなら断然おすすめの道の駅である。

道の駅DATA

厚岸グルメパーク

軽食・レストラン=〇 産直市場=○ 温泉(入浴施設)=× 足湯=× 宿泊施設=× キャンプ場=× RVパーク=× ドックラン=× 観光案内所=○

駐車場=普通車105、大型車4、障碍者用2台 営業時間9:00〜19:00(4月は〜18:00、10〜3月は10:00〜18:00)※売店、レストランなど施設によって異なる。休=月曜(祝日の場合は翌日)

◆全長137mのジップラインのあとは、天然温泉でリフレッシュ! 「こすげ」(山梨県)

 山梨県の北東部、小菅村にある道の駅「こすげ」は、東京都と埼玉県の県境に近い、山あいの静かな場所に位置する。

 周辺は秩父多摩甲斐国立公園の自然に包まれ、多摩川の源流部にあたる清流や大菩薩峠など見どころの多いエリアだ。

 この道の駅には「フォレストアドベンチャー・こすげ」が隣接している。フランス発祥のアウトドアパーク「フォレストアドベンチャー」のひとつで、自然の森を舞台にした本格的なアスレチック体験ができる人気スポット。

 専用のハーネスを装着し、木々の間を移動するアクティビティで、大人から子どもまで、体を使って思いっきり遊べる。

 とくに注目したいのは、地上15mの高さから滑走する全長137mのジップスライド。森の上空を一気に滑り抜ける爽快感は格別で、日常では味わえないスリルと開放感が味わえる。

 利用料金は、アドベンチャーコースが4000円で大人・小人一律料金となる(身長140cm以上、または小学4年生以上、体重110kg未満)。

 コースの紹介や詳細についてはホームページをチェック。週末や連休は混み合うため、事前予約が安心だ。自然と一体になって遊ぶことで、体も心もリフレッシュできるだろう。

◆汗は温泉で流し、空腹は本格ピザで満たす

 アスレチックでたっぷり汗をかいた後は、隣接する温泉施設「小菅の湯」でひと休み。こちらは高アルカリ性の天然温泉で、肌がすべすべになる“美人の湯”としても知られている。

 開放的な露天風呂をはじめ、五右衛門風呂、ジャグジー、打たせ湯、寝湯など、合計9つの湯船が揃っており、体の芯からリラックスできる。

 道の駅としての物販施設やレストランも充実している。石窯を備えた「源流レストラン」では、地元産のトマトやバジルを使った焼きたてのピザが名物。

「物産館」では、新鮮野菜はもちろん、ご当地名物の「多摩川サイダー」など、個性的な土産物が揃っている。

「チャーちゃんまんじゅう」は手作りで、道の駅の人気商品。アンコのほかにヨモギ、高菜、ネギ味噌などを餡に使っている。ドライブ休憩におすすめの買い食いアイテムだ。

 中央道・大月ICからのアクセスで、都内から2時間程度のため、週末の日帰りレジャーにも最適な距離感だ。自然の中で思いっきり遊んで、温泉で癒やされ、地元のグルメと出合える。

 日常から一歩離れて心も体もリセットできる山の中のエンタメ拠点だ。

道の駅DATA

こすげ

軽食・レストラン=〇 産直市場=○ 温泉(入浴施設)=○ 足湯=× 宿泊施設=× キャンプ場=× RVパーク=× ドックラン=× 観光案内所=○

駐車場=普通車89、大型車3、障碍者用4台 営業時間9:00〜19:00 (12〜3月は10:00〜)源流レストラン10:00〜16:00(※土・日・祝は〜17:00) 休=水曜(臨時休業あり。物産館は無休)

◆スイートポテトや極細けんぴなど「なると金時」の魅力を満喫! 「くるくる なると」(徳島県)

 徳島県鳴門市にある道の駅「くるくる なると」は、2022年に開業した新しい道の駅。地域の特産品と体験を融合させた“食のテーマパーク”として注目されている。

 最大の目玉は、鳴門市の代名詞ともいえるブランド芋「なると金時」を生かしたグルメやスイーツの数々だ。施設入り口では巨大な鳴門金時のオブジェが出迎え、来訪者の撮影スポットとして定番になっている。

 ちなみになると金時は、徳島県内の特定地域で栽培されたサツマイモにのみ名前をつけることが許された地域限定のブランドで、その品質の高さと甘さから全国的にも評価が高い。

 館内のフードエリアでは、なると金時を使ったソフトクリームや焼き芋ジェラート、芋けんぴ、大学芋などが人気で、スイーツやお惣菜のラインナップは見応えがある。

◆なると金時だけじゃない! 魚介もアクティビティも充実

 食事処も充実しており「大渦食堂」では、鳴門の海で獲れた魚介をふんだんに盛り込んだ海鮮丼をはじめ、徳島ラーメンや「阿波尾鶏」の唐揚げ定食、カツ丼、うどんなど、幅広いメニューを用意している。

 この道の駅のもうひとつの魅力は屋上にある体験型アクティビティだ。とくにジップラインは、地上10m超の高さから滑り降りるスリル満点のアトラクションで、大人から子どもまで楽しめる。

 体験は予約制だが、土・日・祝日は定員になることが多く、事前の申し込みがおすすめ。

 屋上にはジップラインのほかに、芝生の広場や展望デッキも整備されていて、家族連れがのんびり過ごす姿も多く見られる。

 施設内には授乳室やキッズスペースもあり、ファミリー層への配慮も行き届いている。買い物、食事、体験が一体となった複合型の道の駅として地域観光の拠点になっている。

道の駅DATA

くるくる なると

軽食・レストラン=〇 産直市場=○ 温泉(入浴施設)=× 足湯=× 宿泊施設=× キャンプ場=× RVパーク=× ドックラン=× 観光案内所=○

駐車場=普通車152、大型車15、障碍者用3台 営業時間9:00 〜17:00 (一部、施設によって異なる)休=無休

<写真・文/浅井佑一>

【浅井佑一(あさい・ゆういち)】
キャンピングカー専門誌『オートキャンパー』編集部を経て独立。現在は旅とキャンピングカーをテーマに活動するフリーライター。2014年3月よりキャンピングカーでの車中泊旅をスタートし、2年3カ月かけて全国の道の駅1,059カ所を制覇。その後も新設された道の駅を継続的に訪れ、現在は2度目の道の駅制覇の旅の途中。道の駅、車中泊、キャンピングカー旅の第一人者として、雑誌・書籍・メディア出演など幅広く活躍中。最新の著書『道の駅コンプリートガイド2026』(扶桑社)が発売されたばかり

    ニュース設定