


オレは子どもたちに自分の弱さを見抜かれ、「生意気な」などと中身のないことしか言い返せなかった。それからひとりになり、冷静に考えた。オレは結婚前に、アイネに対して誓った言葉を守れなかった……。自分が情けなくて仕方なかった。

アイネと話し合って、ひとまず離婚は免れた。これからは行動で示さないといけない。今度こそ家族に信じてもらえる存在にならなくては……! 子どもたちはオレに大切なことを教えてくれた。あらためて頭を下げて謝罪する。

アイネの過去を知り、そんないじらしいところも含めて守りたいと思って結婚した。しかしオレはいつしかアイネの弱点につけこみ、ストレスのはけ口にしていたのだ。子どもたちにははっきり「いじめ」だと指摘され、自分がしていたことの愚かさに気付いて愕然とした。
そんなオレに、アイネは「次は信じさせて」と言った。それは「オレを信じてほしい」という、かつてのプロポーズの言葉をふまえた返事だった……。どうしてあのときの思いを忘れてしまっていたんだろう。オレはこれから変わる。アイネと子どもたちに、もう二度と悲しい思いはさせないと心に誓う。
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