秋江千津子さんが刺殺された事件で、現場周辺を調べる警視庁の捜査員ら(中央)=9月30日午後、東京都町田市 東京都町田市中町のマンションで住人のパート秋江千津子さん(76)が刺殺された事件で、自称派遣社員の桑野浩太容疑者(40)が「自分宛ての郵便物が届かなかったり、自宅前にごみが捨ててあったりして、気持ちがめいった」という趣旨の供述をしていることが2日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁町田署は同日、同容疑者を殺人と銃刀法違反の容疑で送検。同容疑者は「絶望感があふれた。全てが嫌になり、人を殺して人生を終わらせようと決意した」とも供述しており、一方的に不満を募らせ、自暴自棄になって事件を起こしたとみて調べている。
事件は9月30日午後7時10分ごろ発生。秋江さんはスーパーで買い物を終え、帰宅したところを突然刃物で襲われた。
同署によると、同容疑者は事件を起こした動機について、「今の生活が嫌になった。誰でもいいから殺そうと思った」などと話しているほか、行政や民間サービスなどで思い通りに対応してもらえず、冷遇されたと感じたという趣旨の説明もしているという。
同容疑者は馬乗りになるなどしながら刺し続けたとみられ、遺体には上半身を中心に10カ所以上の刺し傷や切り傷があった。抵抗した際にできる防御創とみられる傷も確認された。
通報を受け警察官が駆け付けた際、同容疑者は現場にとどまっており、「私がやりました」と認めたため現行犯逮捕された。