【レスリング】樋口黎がミキハウス内定式に出席、五輪逃した経験元に助言　復帰戦は11月予定

パリオリンピック（五輪）レスリング男子フリースタイル57キロ級金メダルの樋口黎（29＝ミキハウス）が1日、五輪からの復帰戦プランを明かした。

この日は大阪市内のホテルで行われたミキハウスの内定式に出席。来春の新入社員へ自身の経験も踏まえたアドバイスを送った。

「実は今日、ヨルシカのライブが当たっていてウキウキだったんですけど、みなさんにスピーチできる方を選びました（笑い）」と、ファンクラブに入会するほどファンだというアーティストのイベントをネタに内定者の心をつかむと、霞ケ浦高時代の恩師である故大沢友博さんから受けたという「人間万事塞翁（さいおう）が馬」をに話を進めた。

樋口は東京五輪のアジア予選で、50グラム超過で計量失格した過去を紹介し「たまご1個分の50グラムで東京五輪を逃してしまったが、その1個分の失敗のおかげで、僕はパリ五輪で金メダルを取れたとも思っている。どう良いことが悪いことに、悪いことが良いことに転ぶかわからないから、おごらず、腐らず、一生懸命に地道に頑張りなさいと言ってもらった」と、努力を積み重ねることの大切さや、ミスをしても大丈夫だということを伝えた。最後には「ともに挑戦できる仲間はいます。もし見つからなければ僕が仲間になります。嫌なことがあれば、僕がタックルしに行きます。多少はストレスが晴れると思うので（笑い）」と締めた。

自身の競技については、11月20日からドバイで開催される招待試合を復帰戦として検討していることを明かした。「メダリスト3〜4人が集まってやるトーナメント」だといい、世界王者のアバスガジ・マゴメドフ（ロシア）、パリ五輪銅のアマン・アマン（インド）らも参戦予定。「日本ではなかなかないが、海外ではそういう試合があるので、後輩のためにも先駆けになれればいい」と調整を進めている。

28年ロサンゼルス五輪を最後に現役引退の意向を示していることについては、あらためて「36歳でブリスベン（五輪）は無理。32歳のロスでピークのパフォーマンスを出せるようにしたい」と話した。

9月11日には第2子となる次女が誕生。「僕より妻の方が大変なので、（自分が）大変だって言うのは非常におこがましい。でも（子供服を手がける）ミキハウス所属なので、率先してやっていきます（笑い）」と、育児面での貢献も約束した。【永田淳】