飛行機に機内手荷物として刃物類を持ち込むことは、一部の例外を除いて基本的にできません。それはたとえ“おもちゃの付属品”であってもダメなようです。
空港の手荷物検査で「フィギュア」がひっかかってしまったというXの投稿が話題を集めています。
Xユーザーの「ヨル」さんがこのほど投稿したのは、空港の手荷物検査場で起こったエピソード。
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箱に入ったフィギュアを2体、バッグに入れて手荷物検査場の機械に通したところ、係員から「お荷物の中に刀のような形のものは入っていますか?」との声かけが。
ヨルさんが持ち込もうとしていたのは人気漫画「鬼滅の刃」に登場するキャラクターのフィギュア2体。いずれも日輪刀と呼ばれる刀剣型の武器を携えています。
「刀のようなもの」と聞いて、ヨルさんの頭に真っ先に思い浮かんだのは上記のフィギュア。声をかけられた瞬間は「まさか引っかかるの!?」という心境だったそう。
係員から「念の為出して確認させて頂いても良いでしょうか」と頼まれたヨルさん。言われた通りにフィギュアを出すと、別の機械で再検査された後「ちょっと確認しますのでお待ち下さい」と言われて、係員はどこかへ電話をかけ始めたとのことです。
電話が終わると係員からは「申し訳ございませんが、こちら手荷物としては持ち込めませんので、預けてきて頂いても良いですか?預けでしたら大丈夫と確認はとっていますので」という旨の案内が。
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実はこのときフライト予定時刻の10分前だったそうで「かなり焦りました」とヨルさんは話します。出発が予定よりも遅れたため無事に荷物を預けて搭乗することはできたそうですが、その偶然がなければ飛行機を逃してしまうところでした。
今回フィギュアを機内に持ち込もうとした理由についてヨルさんは「預けだと投げられたり荷物を重ねられたりしてフィギュアの箱が潰れたり破損したりしないかが不安だったので」と話しています。
実際、預け荷物に変更したフィギュアを到着後に確認すると、パッケージの角が潰れてしまっていたとのこと。ヨルさんは「箱のまま綺麗に保存したいコレクターの方とかは本当に注意が必要だと思いました」と話しています。
国土交通省が公開している「機内への持ち込み又はお預け手荷物に制限がある品目の代表例」という資料では「プラスチック製のもので、一見しておもちゃ等武器として使用できないものは持ち込み可能」となってはいるものの、最終的な判断は航空会社が定めたルールをもとに、保安検査場の係員(航空保安検査員)が行います。
また、基本的に機内手荷物としてナイフを含む刃物類を持ち込むことはできません。ハサミの場合でも「先端が尖っていないもので刃体(刃先から支点までの長さ)6cm以下であれば持込可能」と厳しい条件付きになっています。
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今回はフィギュアの付属武器とは言え、サイズは12〜13cm程度とのことで、ちょっとしたペーパーナイフくらいではあるため、検査員は「持ち込み不可」と判断したとみられます。
ヨルさんの投稿には似たような経験をしたという人のリプライも多く見受けられ、今回の対応は決して例外的なものではない様子。
ヨルさんの場合は飛行機の遅延という偶然があったため預けることができましたが、場合によっては飛行機を見送ったり、フィギュアを処分しなければならない状況もあり得たかもしれません。
刀や武器を携えたキャラクターのフィギュアはきっとたくさんありますから、フィギュア好きからすると少しヒヤリとする今回のハプニング。
しかし裏を返せば、それだけ日本の空の安全が厳格に守られているということ。すべては航空機の安全を守り、ハイジャックなどのリスクを防ぐためです。
なお、こうしたおもちゃ類の扱いについては、空港や検査員によって判断が異なる場合があります。「ある空港では大丈夫だったのに、別の空港では不可だった」といったケースも起こり得ますが、これは保安検査員を管理する企業の方針や担当者によって判断基準がわずかに異なることがあるためです。
さらに、テロなどのリスクが高まっている時期にはセキュリティレベルが引き上げられ、通常よりも厳しく判断されることもあります。その点を事前に理解しておくと安心でしょう。
もし飛行機を利用する際に、たとえおもちゃであっても刃物類に似た形状のものを持ち込む場合は、余裕をもって空港へ行き、預け手荷物にしておくよう心がけておくと安心です。
<記事化協力>
ヨル(少し低浮上)さん(@toriyoru0)
<参考・引用>
国土交通省「機内への持込み又はお預け手荷物に制限がある品目の代表例」(PDF)
国土交通省「空港での保安検査をスムーズに通過するために」
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025100403.html
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