米投資家、民間指標を注視=当局統計の発表遅延で―政府閉鎖

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2025年10月04日 21:02  時事通信社

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時事通信社

 【ニューヨーク時事】米政府機関の一部閉鎖で、3日に予定されていた9月の雇用統計の発表が見送られた。同統計は、足元の米経済の状況を見極める指標として、市場で重要視されている。閉鎖が長期化し、政府統計の発表遅延が相次げば、景気動向の判断が一段と困難になる。投資家らは代替として民間指標に注目しているが、限界も指摘される。

 米再就職仲介会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが2日発表した企業の人員削減計画に関する調査に、市場の関心が集まった。調査では採用活動の縮小が確認された。サプライ管理協会(ISM)が3日発表した9月のサービス業景況感指数などでも、労働市場の減速が改めて示された。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が高まり、優良株で構成するダウ工業株30種平均は、4日連続で史上最高値を更新した。

 ただ、日系証券筋は「民間統計は補完にすぎず、雇用統計のような大規模で歴史ある調査を代替できない」と指摘。政府機関の閉鎖が長引き、大量の経済データの収集や分析作業が遅れるリスクが懸念されている。

 FRBは今月28、29日開催の会合で、追加利下げの可否を検討する。パウエル議長は先月、今後の政策決定について「データを点検して状況を見極める」と説明した。適切なデータが得られなければ、政策判断を誤る恐れがある。

 米株式市場は、政府機関の再開が見通せない中、人工知能(AI)関連投資や追加利下げ観測を追い風に活況を呈している。ただ、閉鎖の長期化で重要統計の発表が見送られる事態が続けば、相場に逆風となるのは必至だ。 

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