『呪術廻戦』「死滅回遊編」の新キャラ・禪院直哉、“クズすぎる”のに人気の理由とは?

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2025年10月05日 10:00  リアルサウンド

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TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」ティザーPV YouTubeサムネイルより

 TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」の制作決定が発表された。放送は2026年1月からだが、それに先立ち11月7日より『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』の劇場公開も決まり、シリーズは新章に向けて大きく動き出している。


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 解禁されたティザーPVは、渋谷事変後の絶望に沈む主人公・虎杖悠仁が階段に座り込むシーンから始まり、「俺はもう皆と一緒にはいられない」という台詞が象徴的に響く。映像内では特級術師・乙骨憂太が登場し、『呪術廻戦0』の主人公である彼と虎杖が対峙する場面が映し出される。さらに伏黒恵や脹相、禪院真希、九十九由基などおなじみのキャラクターが顔をそろえ、いよいよ“死滅回游”の幕開けを予感させる内容だ。


 なかでも注目は、新キャラクターとして本格的に登場する禪院直哉である。


 この人物は、呪術界御三家の一つ・禪院家の血筋に生まれた特別1級呪術師で、禪院家の精鋭部隊「炳」の筆頭を務める。26代目当主・直毘人の息子で、伏黒恵の父・伏黒甚爾の甥にあたり、真希・真依とは従兄妹にあたる。金髪にピアス、狐目の顔立ちという和洋折衷の美形ながら、関西弁を操り常に薄笑いを浮かべるという強烈な個性を放つ。生得術式は父と同じ「投射呪法」で、自身の視界を画角として1秒間の動きを24コマに分割し頭の中で作り、それを自動でトレースすることで驚異的なスピードを発揮する。連続発動によって速度は青天井に高まり、相手に触れることで同じ効果を強制し、動きを作れない相手を1秒間フリーズさせることさえできる。まさに御三家相伝にふさわしい攻撃的な術式だ。


 直哉が育った禪院家は呪術師を多く輩出し、強力な術式を取り込むことで発展してきた一族で、「禪院家に非ずんば呪術師に非ず」と言わんばかりの独善性や、根強い男尊女卑の価値観を抱えている。相伝術式を持たない者は落伍者と見なされ、特に女性はスタートラインにすら立てないこともある。真希が家を飛び出した背景にも、この歪んだ家風があった。


 直哉はその負の側面を体現する存在で、若さと容姿に似合わぬ旧弊的な考えを持ち、女性蔑視発言を公然と口にし、当主の座を得るために父の死を待ちわびるなど、強い権威志向と自己中心性を隠さない。一方で、圧倒的な強者に対しては純粋な敬意と憧れを抱き、自らもその領域に立とうと足掻くという真摯な側面も併せ持っている。


 そんな直哉はクズすぎるキャラであるにもかかわらず、なぜか人気キャラクターに。登場するや否やSNSでトレンド入りし、海外でも「Naoya」が話題になるほど。実際、「週刊少年ジャンプ」誌上で行われたキャラクターの人気投票では、第2回に10位、第3回は6位、そして第4回では乙骨を上回るまさかの5位にランクインするなど、作中屈指の人気キャラへと上り詰めた。


 その理由を探ってみると――。第1に細目の関西弁、美形というビジュアルと、清々しいまでに破綻した“ドブカス”な性格が読者の心をつかんだこと。第2に単なる悪役ではなく、強さと血筋に縛られながらも自らの信念を貫こうとする姿勢が描かれたことで、同情や再評価が生まれたこと。恵に対する敵意も、当主の座を奪われた嫉妬や複雑な事情を知るにつれ、理解する読者が増えた。第3に、ネタバレになるので詳細は伏せるが、最終的に“愛されるクズ”としての様式美が完成していた点も大きい。気になる向きはアニメ後編も必見だ。


 TVアニメ第3期「死滅回游 前編」では、こうした直哉の人間性や術式、そして真希や伏黒との因縁がどのように描かれるかも大きな見どころ。スピード術式の「投射呪法」は、アニメによってさらに魅力的に表現されることだろう。


 「べっぴんさんやけど真希ちゃんはアカン アレは男を立てられへん 三歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええねん」「その点真依ちゃんは立派やね 真希ちゃんと同じ顔 同じ乳 強がってるけど自分が女やと心底理解してる」の台詞は、原作ファンには“クズ名言”としておなじみ。“現実にいたら絶対に関わりたくないが、見ているぶんには面白い”禪院直哉に、アニメ勢がどんどん沼っていく姿が今から目に浮かんでくる。


(文=蒼影コウ)



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