前週末比2175円26銭高となった日経平均株価の終値を示すモニター=6日午後、東京都中央区 自民党総裁に高市早苗前経済安全保障担当相が選出されたことを受け、週明け6日の金融市場で円安・株高が進行した。積極財政と金融緩和継続の思惑が広がり、昨年の総裁選で見られた「高市トレード」が再来。一方、財政悪化懸念から長期金利は上昇した。
東京株式市場は積極的な財政政策への期待感から全面高の展開となり、日経平均株価は一時4万8000円を上回り、上げ幅は前週末比2300円を超えた。特に、高市氏が重視する防衛政策に関連した銘柄の上昇率が大きかった。終値は2175円26銭高の4万7944円76銭と、史上最高値を更新した。上昇幅は過去4番目の大きさだった。
株価上昇について、市場関係者は「高市氏は『アベノミクス』路線の継承者というイメージがあり、景気刺激策が打ち出されるとの期待が膨らんだ」(国内運用会社)と話した。一方、今後の連立協議が難航して政局が流動化すれば、「株高に水を差す恐れがある」(中堅証券)と懸念する声も聞かれた。
東京外国為替市場では、高市氏が金融緩和を維持する意向だとの見方から、円売り・ドル買いが加速。一時、1ドル=150円台半ばに急落した。午後3時現在は150円24〜26銭と、前週末比2円84銭の大幅な円安・ドル高。市場関係者は「株価の急上昇で投資家がリスクを取る姿勢が強まり、安全資産とされる円がさらに売られた」(国内銀行)と指摘した。円はユーロに対しても売られ、1999年のユーロ導入後の最安値を更新した。
東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債(第380回債)の流通利回りが一時、1.680%に上昇(価格は下落)した。償還までの期間が10年を超える超長期国債の利回りも急上昇。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「国債格下げへの警戒感もあり、長期債の売りが優勢となった」と指摘した。

取引時間中に4万8000円を上回った日経平均株価を示すモニター=6日午後、東京都千代田区

1ドル=150円台に下落した円相場を示すモニター=6日午後、東京都中央区